剛腕のグレウルウィド(ウェールズ語” Glewlwyd Gafaelfawr”,グレウルウィド・ガヴァエルヴァウル)はウェールズの伝承に登場するアルスル(アーサー王)の王宮の城門を守る門番の戦士である。巨人とみられる。名前のグレウルウィドとは「灰色の豪傑」の意味(注1)。『マビノギオン』を始めウェールズのアーサー王伝承において非常に重要な登場人物であったが、大陸でのアーサー王物語群には伝わらなかった。 『キルフーフとオルウェン』で、アルスルの宮廷ケスリ・ウィッグ(注2)を訪れアルスルに面会を求めるキルフーフの前に立ちはだかるのがグレウルウィドである。入城を求めるキルフーフに対し、グレウルウィドは以下のように答えてキルフーフを退ける。 『ナイフが肉を切り分け、酒が杯に注がれ、ざわめきがアーサー王の大広間に満ちている。由緒正しき王の息子か、何か技をたずさえた匠以外は誰も入れぬ。犬どもにはえさを