DESTINY+の探査機システムメーカは2020年度に選定され、2024年度の打ち上げ(当初計画)を目指して、約4年間での開発が始まりました。短期間に信頼性の高い探査機を開発するため、新規開発を真に必要な範囲に限定し、既開発品を積極的に活用する方針を定めました。 DESTINY+のミッションには、約2年間の地球周回フェーズと、約4.5年間の惑星間航行フェーズがあり、その両方でイオンエンジンを運転する必要があります。そこで地球周回衛星である「ひさき」「あらせ」で実績のある小型科学衛星標準バス機器と、惑星間でイオンエンジンを運転した「はやぶさ2」の搭載機器をベースにします。 一方で地球周回軌道上でイオンエンジンを運転するのは我々にとって初めての経験で、熱設計を始めとする多くの開発課題が生じました。これを含む工学面のハイライトは、下の「工学」のパートで述べたいと思います。 The prime c