ウェルナー・エアハルトは高校を卒業すると、大学には行かず、車や通信教育の教材を訪問販売するセールスマンとして生計を立てた。彼はデール・カーネギーの成功哲学の熱烈な信奉者で、セールスマンとして頂点を極めた後にセールスマン・トレーナーに転進した。 もともと心理学に興味のあったエアハルトは、マズローの人間性心理学とヒューマン・ポテンシャル運動に魅了され、サンフランシスコに居を移してエスリンに通いつめるようになった。エアハルトはそこでフリッツ・パールズのゲシュタルト療法を受け、ウィリアム・シュッツのオープン・エンカウンターを体験し、アラン・ワッツから禅を教えられ、それ以外にもオカルトから東洋思想、サイエントロジーまでありとあらゆる「至高体験」を試みた後、満を持して「エアハルト・セミナーズ・トレーニング」(略称“エスト”)を設立した。 エアハルトのアイデアは、エスリンの高尚で秘教的な雰囲気を一掃し、
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