解説「百合」の範囲上述の通り、「百合」と銘打っている作品の全てがラブストーリーというわけではない。百合ジャンルでは友愛や師弟愛や姉妹愛、主従関係や相棒、果ては愛憎やライバル関係といった、女性間の多様で複雑な関係性が描かれる。そのような関係が恋愛に発展する作品も多いが、中にはそうではないものもある。 また、かつては百合を「思春期の恋愛未満の淡い関係」「現実離れしたフィクション」と断じ、女性同性愛(レズビアン)ジャンルを百合と区別する向きもあったが、今日「百合」と言われる作品の中には、女性同性愛当事者が共感できるリアル志向の作品も含まれており、作者の実体験を描いた(という触れ込みの)エッセイ漫画も百合の範疇に入っている。 この範囲の広さと曖昧さはしばしば議論の対象となっており、恋愛ものとしての百合を「ガールズラブ」(GL)とか「ガチ百合」、恋愛未満の関係を「微百合」とか「友情百合」などと称して