名古屋市で知人女性を殺害し、仙台市で同級生らに劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)=事件当時十六~十九歳=に対する裁判員裁判の初公判が十六日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)で開かれた。弁護側は全事件について「重い精神障害の影響で、元学生には責任能力がなかった」として無罪を主張。元学生は「タリウムを混入させた際、被害者が死亡しても構わないと考えた覚えはない」と起訴内容を一部否認し、女性殺害の事実関係については争わない姿勢を示した。 元学生は捜査段階で「人を殺してみたかった」と供述するなど、社会に衝撃を与えた事件を巡り、裁判員らは難しい判断を求められる。公判は計二十一回開かれ、判決は三月二十四日の予定。初公判では裁判所の判断で、元学生を傍聴席から見えないようにする遮蔽(しゃへい)物は設けられなかった。 冒頭陳述で検察側は