1922年(58歳)この作品を作曲した当時のR.シュトラウスは、交響詩や楽劇の主要作品で成功をおさめ、ドイツ・オーストリア系作曲界の頂点に立っていたが、当時のヨーロッパは1918年11月に終戦した第1次大戦の荒廃の直後。舞台作品も贖罪など真摯なテーマが求められていたのだがシュトラウスはそれに反発。「時代の悲劇にばかり拘るこうした風潮には我慢ならん。私は人々を喜ばせたいのだ」と言って、お菓子など全く見当たらない時代だったにもかかわらず、人々が以前と変わらない日常生活を送っているかのように、この作品を書き上げたのだった。 舞台は平和な時代のウィーン、小学校の高学年になった子供が、正式な信徒になることを誓うキリスト教の儀式「堅信礼」での出来事。日本で言うなら「七五三」のお祝いのようなもので、式を終えた子供達はウィーン名物の2頭立ての馬車でお菓子屋に行き、ケーキをお腹一杯ご馳走になる、というのが段