3月22日、埼玉県川口市立のある小学校で卒業式が行われた。足取りは重く、それでも一歩、一歩、学校へ向かう少女の心境はいったい、いかほどであったであろうか。 少女はトルコ国籍クルド人である。両親とともに2歳で来日した彼女に、トルコの記憶は何もない。難民申請中である家族は入管の厳しい管理下に置かれ、あらゆる自由を制限されながら生活している。日本人の子供たちと見た目が違うため、学校では辛いことも多々あった。 それでも少女はしっかり勉強し、この国で生き、弁護士の夢を叶えようと日々努力していた。この家族と筆者は10年以上の付き合いがあり、少女の成長をずっと見てきた。少女の苦労を知っているがゆえに、今回のイジメ事件は心がえぐられる思いであった。 少女が6年生に上がった去年の4月、新しい校長が就任した。ここからが不幸の幕開けとなる。以前の校長は、子供好きで誰にでも平等に接する人物であると当時の関係者は語