「2023年にカリフォルニア州で最も売れた車がトヨタのハイブリッド車(HV)であった。カリフォルニアは環境基準が厳しい州だけに、そこでトヨタ車が復権したことが現在の状況を象徴しています」経済評論家の杉村富生氏が語るように、地球に優しいエコカーとして注目されてきた電気自動車(EV)のブームに、急速に「ブレーキ」がかかりつつある。 世界で最も多くのEVを販売するBYD(比亜迪)グループを擁する「EV先進国」の中国だが、景気の減速や不動産バブル崩壊の影響もあり、EV車が供給過多の状況にある。つまり、売れずに余っている状態なのだ EV車離れが進むのは、中国だけではない。2月アメリカでは、アップルがEVの開発中止を発表した。約10年にわたり、数十億ドルを投じて開発に取り組んできたとされる「アップルカー」は、幻となった。 長らく市場を牽引してきた、業界大手であるテスラの株価も振るわない。23年夏に付け