初めに本書のタイトルを目にしたとき、「ゲーム」と「シェルスクリプト」の2つがまったく結びつかず、シェルスクリプトで何をしようとしているのだろうという感覚があった。 筆者がシェルスクリプトから連想するものは、ファイルの検索だったり、インストーラだったり、とにかく実利的でそれほど複雑でない処理を行うものという程度である。つまり、それほどシェルスクリプトに詳しいわけではなかったので、著者が本書で伝えたいことをタイトルからすぐに類推できなかったのだ。 そのことは、本書を読み進めていくうちに認識させられることになった。なるほど、と思うと同時に自らの無知を恥じなければならなかったのだ。 エスケープシーケンスで画面制御 タイトルからは、本書の全編がゲームで覆い尽くされているようにも受け取れるのだが、実際はそうではない。全10章のうち前の7章までは一般的なシェルスクリプトの入門書だ。ただ、その中にもゲーム