現代人は安眠できていない、寝足りていない、と漠然と信じている人が多い。社会が近代化される以前、人工照明やテレビもなく、ひっそりと長い夜を過ごした昔の方がよく眠れていたのではないかと。 たしかに、人工照明(ブルーライト)の影響で体内時計が遅れ気味になり、夜型生活が進行しているのは事実である。過去50年間で就床時刻は1時間以上遅くなる一方で、朝はギリギリまで寝ているためこれ以上遅らせることはできず、結果的に日本人の平日の睡眠時間は正味1時間短くなった。日本人の睡眠時間が世界で最も短いのはご承知の通りである。 また、不眠症や睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害は増加傾向にあるし、交代勤務(夜勤)や時差ぼけなども24時間社会の中で常態化している。 加えて、ストレスや長時間労働による不眠や睡眠不足の問題がある。 つい最近も、新国立競技場の建設工事に従事していた若い現場監督が過重労働が原因と思われる自殺