服役した知的障害者や高齢者の社会復帰を支援する「地域生活定着支援センター」の設置が、全国的に進んでいない。国は7月をめどに全都道府県での開設をめざしていたが、財政難に加え、福祉サービスの提供が一部市町村に偏るなどの理由で敬遠され、現時点で設置されたのは5県のみ。未設置の地域との連携が取れず、先行県の負担増も深刻化している。 センターは刑務所や保護観察所と連携し、高齢や知的障害のために自立が難しい受刑者について、住まいなど出所後に必要な支援を把握。福祉サービス受給に必要な療育手帳の取得を手伝うほか、受け入れ施設への橋渡しを担う。 事業の実施主体は都道府県で、社会福祉法人やNPO法人などに運営を委託できる。運営費は国の全額補助だが、これまでに開所したのは静岡、滋賀、和歌山、山口、長崎の5県にとどまっている。 大阪府の場合、地域福祉課が今年度当初予算と補正予算で設置を財政当局に要求したが、