かつては学校給食の中心だったパン。最近では全国平均で週1回程度しか提供されず、業者が次々姿を消しているという。なぜ、こんなに減ったのか。 10月中旬、岩手県北部にある葛巻町立江刈小。給食の時間になると、子どもたちは持参したお弁当箱を開け始めた。中身はほとんどがご飯だ。同町ではこの1年、給食で主食が提供できていない。昨年9月末、給食パンを納入していた同県一戸町の「一野辺製パン」が破産したためだ。 破産管財人の弁護士によると、給食パンの回数が減ったことが一因という。同社は米飯も提供していたため、給食で主食が出せなくなった。その後、他県の業者が工場を購入して操業を始めたが、中山間地の葛巻町へはコスト面からパンを配送できないという。町は、今年度中は児童に主食を持参させる方針だ。 全日本パン協同組合連合会(全パン連)によると、昭和20~40年代に6千社あった給食パン業者は現在、1300社を切っている