このテーマは業界人として、論じなければならないだろう。渦中のアートディレクター、佐野研二郎氏と本人に湧いたパクリ疑惑である。 でも、このコラムはファッションについて評論している。だから、パクリについてはファッションとグラフィックとの異なる部分から触れよう。そして、グラフィックデザイン業界の構造にも切り込んでみたい。 まず、ファッションデザインについて。こちらはロゴマークやキャラクターといったアイキャッチャー的なものと違い、糸、生地、染めや色、シルエットやディテール、加工といった条件の組み合わせで生まれている。 生地や染めには「意匠権」があるものもあるが、それは材料としてそのまま使用され、服が量産されて市場に出まわる。生地が同じなら似たような服になるが、コピーしたという認識にはならない。当然だ。 「流行は繰り返す」の言葉通り、モードには周期があり、数年後、数十年後にはまた同じデザインが登場す
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