熊本県の蒲島郁夫知事は、暴行を受けた男子生徒が別の高校に進学できていないという熊日の報道を受けて「看過できない」と発言。その後、県や学校の対応は一変し、男子生徒の転校が実現した 「日本の空気が嫌になった。暴力がはびこるサッカーも部活動も」 6月下旬、真新しい制服の15歳の少年は、記者に重い口を開いた。熊本県八代市の秀岳館高校男子サッカー部で3月、上級生から暴行を受け、被害者なのに入学辞退することになった。事件直前まで希望にあふれていた男子生徒は、問題を見て見ぬふりする大人たちに巻き込まれ、サッカーだけではなく日本社会そのものに絶望していった。 夕方の食堂だった。秀岳館高校のサッカー部では体力を付けるため、1食当たり800グラムのご飯を食べる決まり。配膳は1年生が担当し、この日は数日前に入寮したばかりの男子生徒も加わった。茶わんに山盛のご飯をついでいた時、背後に気配を感じた。 「おいおまえ、