人口減少・過疎化が急速に進行する中、日本各地で公共交通機関(特に路線バス)の不採算路線からの撤退が相次いでいる。これによって“生活の足”を奪われた人々の都市部への流出は拡大し、地域の過疎化がいっそう加速化していく。 しかし、地域の創生が「待ったなし」の状況になっている今、インフラを担う事業者がこのような後ろ向きの姿勢で良いのだろうか? そうした声に応えるように、「会社として地域に貢献しろ」という先代(父親で創業者)の「遺言」を胸に、不採算路線再生に顕著な実績を挙げ、それを地域の創生へと結びつけている事業者がいる。埼玉県川越市に本社を置くイーグルバスの代表取締役・谷島賢氏(64)である。同社のビジネスモデルは今やラオス人民共和国に輸出され、同国に路線バス事業革新を起こしつつあるが、「前編」では、同氏を一躍有名にした川越市での事例と、「見える化」を通じた不採算路線再生事例をご紹介したい。 “小