私たちが、高齢者の治療にあたってよく使う言葉に「Frailty」があります。弱さやもろさといった意味から、「脆弱性」「耐術能の低さ」みたいな意味で用いています。 Frailtyは便利な言葉で、総括的であって個別の症例に対する明確な定量化がなされないので、本文にあるように「外科医も手術が適切かどうか検討しますが、やはりそこにエビデンスはなく、個人の判断に委ねられている」通りです。しかし、少なくとも個人的には、「すでに内科で選び抜かれた患者だから手術しても大丈夫だろう」と執刀を担うものとして無責任には考えていません。 私が大切だと思うことは、手術によって得られるもの、失うであろうものについて、出来る限り精度の高いイメージを本人、家族に持ってもらうことだと思います。ここをいい加減にすると、医者は良い結果だと思っていても患者・家族はそう思わないケースが生じます。 さらに踏み込むと、「手術後のイメー