概要 研究の目的 現代先進諸国(ドイツ・フランス・スウェーデン)における労働協約システムの現状と、同システムに基づく規範設定の実態を明らかにするとともに、3カ国での比較検討を行うことで各国間における共通点と相違点を浮かび上がらせる。 研究の方法 文献調査 現地ヒアリング調査 主な事実発見 本研究により、各国における労働協約システムおよびそれに基づく規範設定の共通点と相違点が、以下の通りに明らかとなった。 消極的な国家の関与型(ドイツ・スウェーデン) ドイツとスウェーデンは、いくつかの共通する点が見られる。1つは、フランスと比べると、国家の関与が限定的なことである。2つは、産業別協約が、労働条件の最低基準を定める以上の意味を、持っていることである。ドイツでは、産業別協約において決められる賃金等級は、そのまま企業の賃金等級となる。スウェーデンでは、産業別協約は、最低賃金に加えて、事業所における