子どもをおんぶしながら台所に立つ女性。結婚相手に「専業主婦」を求める声は、若年層の未婚男性で低くなっている 少母化――。 自民党総裁選の討論会で、「子育て政策ではない少子化対策」を問われた石破茂・新総裁はそんな造語を口にした。 「あまりはやらない言葉だと思うけど」と前置きしつつ、「少子化の本質は、母が少ない『少母化』。婚姻率が下がり、母が減れば子も少なくなる。どうやって結婚を増やしていくかが本質」と分析してみせた。 従来の少子化対策は「子育て支援」に重心があり、本質を捉えていないという意見だと受け取れる。首相の座に就いた石破氏は、長年の課題に有効な策を示せるのか。【深津誠】 視点近い研究者が抱く懸念 初婚同士の夫婦が持つ子どもの数は1970年(2・1人)から2022年(2・0人)でほぼ横ばいだが、婚姻数は同じ約50年間で半減した。少子化の主因は、結婚した夫婦の子の減少ではなく、「未婚化」で