大学教員やポスドク(任期付き研究員)ら研究者の間で、雇い止めや雇用と雇用の間に6カ月以上の空白期間を設ければ通算の契約年数がリセットされる「クーリング」が横行している。研究者の有期雇用が通算で10年に達した時点で生じる無期転換権を行使させない行為だ。研究現場の労働環境を巡り日本神経科学学会などが実施したアンケート結果(=要約、図表あり)を基に、労働契約法に詳しい沼田雅之・法政大教授に法の解釈や見解を聞いた。【聞き手・垂水友里香】 アンケートの要約 日本神経科学学会将来計画委員会などが理系の研究者2465人にアンケート調査したところ、およそ8人に1人が長期間研究したのに大学や研究機関から雇い止めされる状態にありました。クーリングを強いられた研究者が周囲にいたと証言する人も約23%に上り、自身が該当する人は約3%でした。 ◇ --雇い止めやクーリングは法的にどのような問題があるでしょうか。 ◆