厚生労働省による毎月勤労統計の不正が、国会で取り上げられ大騒ぎになっている。 毎月勤労統計は、雇用や給与、労働時間などに関する労働統計で毎月公表されている。日本経済の統計の根幹に当たる「基幹統計」のひとつであり、 実質賃金の伸びや経済成長率の動向を直接見る統計のベースになっている。雇用保険や労災保険の給付水準もこれで決まる。 驚きなのは、今回の不正調査が2004年から2018年まで15年間も続いてきたことだ。失業保険の給付水準を算定するための平均賃金が実際よりも低めに出てしまったことで、この間に失業手当など、本来もらえる額よりも減額されてしまった人は延べ2000万人。減額されてしまった金額は570億円になると推計されている。 「自浄能力」欠如の日本型組織? 日本の統計の信頼性が大きく損なわれたと言っていいかもしれない。日本では以前から「中国の経済統計は当てにならない」という声を上げる人が多