わたしたちの視覚には「色」がある。だから、色があるのは当たり前と思うかもしれないけれど、色覚を持たない動物も多い。なぜわたしたちには色覚があり、どのように進化してきたのか。魚類から霊長類まで、広く深く色覚を追究している河村正二先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)
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社会が閉塞感に覆われた時、ファンタジー小説、映画、マンガ、アニメなどが流行しがちだという。現実の先行きが見通せない時に、人は「ここではないどこか」、つまり異世界を求めるのかもしれない。 2020年のはじめよりのパンデミックで世界が「縮んで」しまった時、日本では鬼と対決する若者たちを描いた「ファンタジー」が社会現象になった。様々な「異世界」に転生するパターンを踏襲する小説やマンガも追いきれないほど描かれた。 一方で、ぼく個人の経験としても、感染症疫学や国際保健の基礎知識を読者に届ける仕事を少しはしつつも(WEBナショジオで、神戸大学の中澤港教授と10回に渡る長大な連載をした)、心は「ここではないどこか」にあったように思う。読書傾向もファンタジーに寄っていったし、『ロード・オブ・ザ・リング』などのファンタジー巨編映画を配信サービスで久しぶりに鑑賞したりもした。『スター・ウォーズ』サガ(シリーズ
日本が作成した北朝鮮、平壌近郊の地図。(Photograph from Stanford University) 第二次世界大戦後、日本を支配下においた米軍は、日本の軍事機密となっていた地図とその原版を大量に接収し、米国に送っていた。その地図が近年発見され、注目を集めている。 日本軍の地図はアジアの多くの地域を網羅し、地形に加え、気候、輸送システム、現地の生活の情報が詳細に記されていた。こうした情報は侵略や占領の計画立案に使われたと思われ、一部には敵国に送り込まれたスパイが収集したものもある。 これらの地図は「外邦図」と呼ばれるもので、米国にとって諜報活動に役立つ貴重な資料となった。敗戦国の情報だけでなく、新たに台頭してきた敵、すなわちソビエト連邦の情報も含まれていたからだ。米国陸軍地図局は、こうした戦略上重要な資産を1カ所に保管しておくのは無謀と考えた。核攻撃でも受けようものなら、すべて
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