欧米では、現在日本のソフトウェア開発プロジェクトの多くで使われているウォーターフォール型開発からアジャイル開発への移行が進んでいます。本連載では、アジャイル開発を活用して競争力のあるプロダクトを開発する企業や事業部のあるべき姿を示すSAFe (Scaled Agile Framework) [1]、[2]というフレームワークの概要を紹介します。まず第1回目は、SAFeの基盤となるアジャイル開発が生まれた背景とその特徴を説明します。なお、本記事の後半で過去の記事の内容を再利用していますが、その点をお許し下さるようにお願いします。 1. アジャイル開発が生まれた背景 ウォーターフォール型開発は、図 1に示すように要求を開発初期段階に確定し、確定した要求に基づいて設計、実装、統合、テスティングを順次的に行う形の開発方法です。ウォーターフォール型開発は、日本のソフトウェア開発プロジェクトの半分以上