大阪市東成区の病院で2011年末、入院中の男性(当時62歳)の車椅子などに火を付けて死なせたとして、傷害致死罪に問われた無職川端達指(たつし)被告(62)に対する裁判員裁判の判決で、大阪地裁は8日、無罪(求刑・懲役10年)を言い渡した。長井秀典裁判長は「被告が現場の部屋にいたとする目撃証言は信用できず、犯人とは認められない」と述べた。 川端被告は11年12月25日午後、入院中の病院の一室で、男性の車椅子に結びつけられたシーツにライターで火を付け、男性に全身やけどを負わせて死亡させたとして起訴された。 看護師1人と患者2人が「被告が現場の部屋にいた」と証言したが、川端被告は捜査、公判段階を通じて無罪を主張し、弁護側も「証言は誘導された恐れがある」としていた。 判決で長井裁判長は、「被告は現場で消火活動に加わっており、目撃者が出火当時の記憶と取り違えている可能性も否定できない」と指摘。他の目撃
9日発表された「大阪都構想」の知事・市長案で、政令市の権限を都に移管され、5か7の特別区に分割されることになる人口268万人の巨大都市・大阪市。暮らしはどう変わるのか。市民の間で不安と期待が交錯する。 案では、子育て支援は特別区に引き継がれる。現在、西成区で先行実施されている塾代助成(教育バウチャー)は、都制移行時の2015年度には中学生の7割に対象を広げる計画だが、現在の市域全体で年約40億円の予算が必要だ。 同区で長女の塾代にバウチャーを利用している団体職員の女性(40)は「特別区の予算不足で助成が打ち切られたら、塾に通わせられない。財政に余裕のある区との教育格差はさらに広がるのではないか」と不安だ。 府・市の経済戦略は、都に一本化される。 大阪商工会議所の会員で、部品メーカー社長(61)は「府市が一体的に思い切った投資をすれば、東京のような活気が生まれるのでは」と期待するものの、「都
関西広域連合は、関西電力管内の今夏の電力需給について、大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を再稼働せず、節電実績が昨年並みにとどまった場合、11日間は計画停電になったとする検証結果をまとめた。今年の節電実績では再稼働なしでも計画停電は必要なかった。広域連合は30日に首長会合を開き、検証結果を基に再稼働の必要性について見解をまとめる。 検証は、植田和弘京都大教授(環境経済学)ら3人の専門家と、関電管内の2府3県4政令市のエネルギー政策担当者が参加するプロジェクトチームで実施。7月2日~9月7日の節電要請期間について、揚水発電や他の電力会社からの融通なども考慮に入れ、大飯原発を再稼働しなかった場合の需給状況を試算した。 再稼働がなく、昨年並みの節電実績にとどまった場合、広域連合が住民にエアコン停止など緊急節電を呼びかける目安としていた電力使用率97%を超える日は28日に上り、うち11日
民主党の松野頼久元官房副長官ら超党派の衆参両院議員10人以上が、地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)と連携し、道州制などを検討する研究会を発足させていたことが13日、明らかになった。松野氏らは、国政進出を目指す維新の会が合流することを念頭に、次期衆院選前に研究会をもとにした新党結成を検討している。維新の会側も大筋で同意しているとされ、2大政党と距離を置く「第3極」の中核となる可能性がある。 研究会の名称は「道州制型統治機構研究会」。民自両党のほか、みんなの党の議員が参加し、既に水面下で20回以上の会合を重ねている。盆明けから新党結成の準備も行う。 研究会の会長は空席で、会長代行に松野氏(衆院熊本1区、当選4回)、幹事長に自民党の松浪健太衆院議員(比例近畿、当選3回)がそれぞれ就任している。このほかの参加者は、民主党の石関貴史衆院議員(群馬2区、当選2回)、自民党の西村康稔衆院議
大阪府議会(定数109)と大阪市議会(同86)は2日、2011年度分政務調査費の収支報告書と領収書を公開した。昨春の統一地方選で大量に初当選した大阪維新の会1年生議員の使途公開は初めてで、本革のいすや英国製高性能掃除機など、高額な事務所備品を購入するケースが目立った。「政策立案能力の向上」を名目に大学院学費に政調費を充てた維新、自民市議も2人いた。 議員1人あたりの月額政調費は府議50万1500円、市議51万3000円で、支給総額は府議会6億5489万円、市議会5億2942万円。うち府議会2531万円、市議会4780万円が使われずに返還された。 初当選組の池下卓維新府議(37)は本革のいすや机などの購入費計20万円の9割を政調費から支出した。「事務所に来る方に失礼のないように、中古品でできるだけ安い物を選んだ」と話す。 梅園周維新市議(33)は「安物を買って壊すより、良いものを長く使い続け
松井一郎大阪府知事と橋下徹大阪市長は16日、関西経済3団体首脳と15日夜に会談し、今夏の節電対策や関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題について意見交換したことを明らかにした。 会談は大阪市内で非公開で行われ、経済界からは関西経済連合会の森詳介会長、大阪商工会議所の佐藤茂雄(しげたか)会頭、関西経済同友会の鳥井信吾代表幹事が出席した。 松井知事は府庁で報道陣に、「官民あわせてこの危機を乗り切り、計画停電は避けるとの思いで一致した」と話した。また橋下市長は市役所で「3首脳には『政府が発信する(原発の)安全と国民が考えている安全に相当なギャップがある』と伝えた」と語った。
西日本4社に5%節電要請 政府が検討している今夏の節電対策案がわかった。原子力発電所の再稼働がなければ深刻な電力不足が見込まれる関西電力管内に融通する目的で、西日本では供給余力のある電力会社の管内に一律5%の節電目標を定める。これにより関電管内への電力使用制限令など強制的な節電手段の発動を回避する。政府は関係省庁によるエネルギー・環境会議(議長=古川国家戦略相)を開き、来週中にも決定する。 西日本は電気の周波数が同じで電力会社間の融通がしやすい。西日本の節電要請は、猛暑だった2010年比で関電管内を15~20%、関電と並び電力不足が見込まれる九州電力を12%程度とするほか、中部、北陸、中国、四国の4電力会社に5%ずつを求める。 東日本は、北海道電力に7~8%の節電を求める一方、余力のある東京電力と東北電力には数値目標を定めない。 政府の需給検証委員会は12日に今夏の電力需給見通しの報告書
京都府亀岡市の府道で23日、集団登校中の同市立安詳(あんしょう)小学校の児童ら10人が軽乗用車にはねられ、2人が死亡した事故で、運転していた少年(18)らが京都府警の調べに対し、「前日から事故を起こすまで一切、寝ていなかった」と供述していることがわかった。少年は前日朝から外出しており、府警は少年がほぼ1日眠らず、疲れから居眠り運転をしたとみて調べている。 捜査関係者によると、自動車運転過失傷害容疑で逮捕された少年は22日朝、自宅から外出。その後、大学1年の男子学生(18)、専門学校の男子学生(18)=いずれも道交法違反(無免許運転)のほう助容疑で逮捕=と合流したという。 3人は「一晩中、亀岡市や京都市内を車で走っていた」と供述。亀岡市内のファストフード店に立ち寄るなどしたが、まったく睡眠をとっていなかったという。 一方、軽乗用車は、大学の男子学生の知人男性の所有と判明。この男性の家族による
皮膚の色素がほとんどなく、内臓や骨まで透けて見えるカエルを、広島大理学研究科の住田正幸教授らが作製し、大量に生み出すことに成功した。これまでに透明なメダカや金魚の開発例はあるが、両生類では初めて。解剖せずに体内を観察できるため、医療研究の実験動物に利用できる。10月にも提供を始める予定。 住田教授らは、通常は褐色だが、まれに現れる黒の色素や光沢成分を持たないニホンアカガエルの突然変異体2匹を野外から探し出した。6世代にわたり人工交配を重ね、透けるほど皮膚の色が薄い「透明ガエル」を誕生させた。今年に入り、効率的に生み出すことにも成功し、現在は約200匹まで増えた。 卵やオタマジャクシも透明に近く、内臓の成長や変化、病気の進行などを長期間生きたまま観察できる。このため、複数の研究機関が入手を要望しており、同大学が提供準備を進めている。 ユニークな外観から、ペットとしての販売を希望する企業からの
<究める>体内時計の全体像、「自分流」で解明…生命科学界に新風 上田泰己・理化学研究所プロジェクトリーダー 新たな成果を報じる論文の原稿が届いた。一流の研究者たちを納得させるだけの力があるか? 鋭い視線を注ぎ、時に黙考する(神戸市中央区の理化学研究所で)=原田拓未撮影 「指導教官に与えられたテーマを面白くするのが重要なんだよ」 1999年の初夏、東京・本郷にある東京大医学部。学部卒業を控え、大学院進学の相談に訪れた23歳の上田泰己に、ある高名な教授は冷たい視線を浴びせ、突き放すように言った。 教授がへそを曲げるのも無理はない。上田は「製薬会社に雇ってもらって体内時計の研究をしたいのですが、先生の研究室に受け入れてもらえませんか?」と持ちかけたのだ。大学院進学を目指す身でありながら研究テーマを自分の興味で決め、さらに企業で独自に研究を進めようとする。徒弟制度が色濃い日本の大学ではふつう、あり
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