アジアプレスが2022年12月に入手した内部文書。右肩の赤線は「絶対秘密」。本文の赤線部分は「逃走者、自殺者、死亡者をなくすための対策を徹底的に立てて」とある。◆人権侵害の温床 北朝鮮の警察機関の留置施設で、拘禁された住民の逃走、自殺、死亡事故が発生し、施設の管理者や責任者の処罰問題に発展していることが分かった。アジアプレスが入手した<絶対秘密>指定の内部文書に記されていた。(石丸次郎) 新型コロナウイルス・パンデミックが発生した2020年1月以降、北朝鮮では過剰なコロナ対策と経済悪化に伴って社会統制が厳しくなり、社会安全局(警察)などの統制機関が些細なことで住民を逮捕拘留したり、令状なく家宅捜索したりすることが茶飯事になった。 各種の拘禁施設で死亡事故が多発しているという情報はこれまでも多かったが、今回アジアプレスが入手した内部文書では、警察機関が実態調査を行って逃亡、自殺、死亡する事故