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ブックマーク / www.anlyznews.com (26)

  • OECD加盟国に限っても、ジェンダーギャップ指数と合計特殊出生率に正の相関はないよ

    ジェンダーギャップ指数はかなり癖がある指標で*1、何かの分析で使うのにはお勧めできないのだが、先進国において「ジェンダーギャップ指数が高い(男女格差が少ない)ほど、出生率は高まる傾向」などと言い出す人々をぽつぽつと見かけるようになった。そんな話を請け売りしている社会学の大学教員もいるのだが、そんな傾向は明らかには観察されないので指摘したい。 1. 内閣府の資料の問題点 冒頭の引用は内閣府政策統括官(経済社会システム担当)作成資料からなのだが、先進国という出生率が低い国を集めたサブサンプルの傾向はただの偶然であることが往々にあるし、そもそも先進国もごく一部ののデータだけで議論していて恣意的な分析になっているし、さらに選んだごく一部の国の傾向すら主張を支持していない。 フランスとイギリスと韓国はジェンダーギャップ指数が上昇したのにもかかわらず合計特殊出生率は下がっているし、日とデンマークはジ

    OECD加盟国に限っても、ジェンダーギャップ指数と合計特殊出生率に正の相関はないよ
  • 群馬県草津町の新井議員のリコール成立でわかる誤った告発方法

    群馬県草津町の新井町議が、著書の内容を理由に解職請求され、住民投票の結果、リコールされることになった*1。解職賛成2542票、解職反対208票(無効票85票)の圧倒的な差である。投票率も53.66%とそこそこある。 著書では物証なく黒岩町長と肉体関係を持ったと主張しているだけではなく*2、無根拠に草津町では女性が有力者の愛人になって利益誘導されることが通例のように書いており、住民の怒りを買った。リコール請求に対する弁明書も、無証拠/無根拠を咎める解職請求理由に対して、職務に励んで来たなどと「弁明」しており噛み合っていなかった*3。 新井氏は名誉毀損でも訴えられているわけだが、決め手にかける主張のため敗訴する可能性は高い。疑ってかかると萎縮して告発が出なくなると言う話もあるが、被疑者にも人権はあるし、狂言が発覚した性的暴行事件もある。体液が絶対必要とまでは言わないが、写真や音声、その他、当事

    群馬県草津町の新井議員のリコール成立でわかる誤った告発方法
  • シンゾー、日本がどれぐらいヤバイか分かっている?

    コロナウイルス感染症(COVID-19)だが、直近1週間のデータからSIRモデルで推定すると*1、11月24日に感染者数が全国民の18%とピークを向かえ、2割の446万人が入院する必要が出てきて、3%の67万人が酸素吸入以上のケアが必要になり、さらに収束するまで1年半かかり、重症者の累計は314万人に達する*2。単純な数理モデルで精確かは分からないが、欧米の惨状を見る限りは全くの計算違いとは言えない。 病床不足は避けられないので、もう軽症者は自宅療養するように方針を変えるか、軽症者用の隔離施設を確保すべき。そして、何とかトレンドを変える必要がある。クラスター対策班は今まで効果を挙げてきたが、だんだんとすぐに感染経路が追跡できない感染者が増加しており*3、現在の活動の継続だけでトレンドが変わる可能性は低い。感染から発症まで5日間、症状が重くなって病院に来るまで7日間程度かかるため、トレンドが

    シンゾー、日本がどれぐらいヤバイか分かっている?
  • BCGワクチンCOVID-19抑制仮説の検証方法に関する神経科学者×経済学者の議論について

    BCGワクチン接種COVID-19抑制仮説に関して、科学的な結論を知りたい人は、アイルランド、オーストラリア、オランダなどのランダム化比較実験(RCT)の結果がこれから出てくるので待つべき*1だが、神経科学者の宮川剛氏と経済学者の川口康平氏がそれぞれが行ったこの問題に関する分析に関する議論で、計量手法の観点から幾つか気になった点があるのでコメントしておきたい。 宮川剛氏らの分析*2は、罹患率、死亡率(IFR)*3、致死率(CFR)*4に対して、平均気温と平均余命をコントロール変数として、BCGワクチン接種の有無を重回帰分析をしているのだが、統計的因果推論を念頭に置いておらず、現代的な水準の計量分析、研究デザインになっていない。 感染症に予防がある社会制度や社会習慣をこの2つのコントロール変数だけで代理できるわけではないし*5、論文中に言及があるが、感染が進行している最中の罹患率と死亡率(I

    BCGワクチンCOVID-19抑制仮説の検証方法に関する神経科学者×経済学者の議論について
  • 歴史社会学者・田野大輔さんが暗に前提とする「本当の社会主義」が分からない

    ドイツ現代史を専門とする歴史社会学者の田野大輔氏が「ヒトラーを「左翼」「社会主義者」と見なしてはいけない理由」と言うエッセイを書いているのだが、国語と言うか論証の仕方が不適切なので指摘したい。つまり、右派ポピュリスト*1の「社会主義とは国家統制・計画経済であり、ナチスは国家統制・計画経済を実行したので、ナチスの政策は社会主義。」と言う三段論法*2を批判するのだから、大前提か小前提を否定しないといけないのだが、田野氏の議論ではそれが不明瞭だ。 ヒトラー率いるナチ党の究極の目標は社会主義の実現ではなく、社会主義者や共産主義者と対立していた事、ナチ党の国家統制・計画経済は労働者階級に大きな利益をもたらさなかったこと、民族・国家への献身と服従を強いるという権威主義であること、「テロルとプロパガンダを通じて国民全体を統制する体制という全体主義論のナチズム理解は多くの面から批判され」たことを説明するが

    歴史社会学者・田野大輔さんが暗に前提とする「本当の社会主義」が分からない
  • 青地イザンベール真美が弄している詭弁について

    都議会選に民進党の候補として出馬して惨敗した青地真美氏が、氏の主張に反対してくる表現規制反対派に「パブリックエネミー」だと分かるレッテルを貼ろうと言い出し批判をされている*1。そこではオタクに対する差別と偏見があると批判しているのだが、そういう議論の前に誤謬があるのを見過ごしているので指摘したい。否定的な感情を呼び起こす単語の記述的意味を再定義して嫌いな集団が当てはまるようにするのは、説得的定義*2と言う詭弁である。 1. 表現規制反対派をオタクとする説得的定義 青地氏は説得的定義による詭弁に成功している。表現規制反対派にパブリックエネミーだと分かるレッテルは貼り付け損なっているが、オタクと言うレッテルを貼り付けることに成功しているからだ。表現規制反対派は、別にオタクとは限らない。社会的受容が進んだとは言え、オタクは特異な集団と言う意味でまだ否定的な感情を(少なくとも一部の人々に)呼び起こ

    青地イザンベール真美が弄している詭弁について
  • 落合陽一×古市憲寿の終末期医療削減による医療費抑制論について

    社会学者というかコメンテーターの古市憲寿氏が前衛芸術家の落合陽一氏との対談*1で、終末期医療の打ち切りによる医療費の削減が必要と主張してネット界隈で論争を呼んでいる。「優生思想に他ならない」と優生思想が何かも分かっていないヒステリックな糾弾はどうかと思う*2のだが、古市氏も医療費全体に占める終末期医療のボリューム感を見誤っている可能性が高い*3。 高齢者の増加で医療費が増加しているのは事実だ。死亡まで数ヶ月間の治療費が高くなる傾向も指摘されている。終末期の胃ろうや点滴は過剰であり、後期高齢者において回復見込みの低い状態での延命治療は打ち切るべきという議論は以前からある*4。このように列挙していくと衝撃的でも正しいことを言っているように思えてくるが、やはり医療費全体に与える影響は概算でも出さないと議論がおかしくなる。 日医師会の『後期高齢者の死亡前入院医療費の調査・分析』の「高齢者の医療費

    落合陽一×古市憲寿の終末期医療削減による医療費抑制論について
  • 藤原興「低賃金カルテル」説の弱いところ

    ネット界隈で「低賃金カルテル」なる言葉を見かけるようになって久しい。運動家の藤原興氏によるとついったーらんどで出来た造語だそうで、氏はその存在を確信をもって主張している。この藤原興流の低賃金カルテル説が、どの程度強固な主張なのかを考察してみた。結果、学者の説ではないので脇が甘いのは仕方が無いが、経験的にも理論的にも説得力は低いように思える。 1. 低賃金カルテルとは? まずはネットスラングなので、用語定義を整理しておこう。藤原興氏の主張からすると、低賃金カルテルは、雇用主が一部*1の職種に関して利潤最大化のためではない社会規範にそった賃金設定を行なうことを指している*2。付随して、藤原興氏は、低賃金カルテルによって労働市場の需給が均衡していないことも主張しているが、こちらは「低賃金カルテル」説としよう。 雇用主側の明確な共謀や協定がないからカルテルではないと言う批判もあるが、世間(空気)よ

    藤原興「低賃金カルテル」説の弱いところ
  • 日本では女性への暴力は少ないと言う調査結果に困惑するフェミニスト

    ask.fmで紹介されて拝読したのだが、大阪府立大学人間社会学研究科で学位を取得したフェミニストの小松原織香氏(font-da氏)が、「女性に対する暴力被害は、EUと比較すると、少ない。暴力の形態に限らず,EUのほぼ半分である」と言う龍谷大学の津島教授と浜井教授の調査結果*2に困惑をして難癖をつけていた*3。フェミニスト vs 犯罪社会学と言うのが興味深いが、それはさておき難癖になっていることを言及しておきたい。 小松原氏は、 性差別が強く性教育が行き届いていない国では、被害者が自分が暴力を受けていてば、それに気づかず、「暴力であること」自体を認知できない。 ので津島・浜井の結論は支持できないと言うのだが、さすがに日に夫に殴られた事を暴力だと認識できないはいないであろう*1。 性的暴力であれば、夫婦間での性的暴行を法的に認めない社会であれば、夫と不意ながら性行為を行なっても性的暴行だ

    日本では女性への暴力は少ないと言う調査結果に困惑するフェミニスト
    repunit
    repunit 2018/10/30
  • ニュースの社会科学的な裏側: ジェンダー論をやっている社会学者は“被害者”

    社会学者の千田有紀氏の何度目かの炎上騒動の最中なのだが、「市民的公共性」と言う単語を濫用して突っ込みを受ける*1ばかりではなく、自分は権威なのだから素人は学識を疑うなと言う姿勢の過去の発言が槍玉にあがっている*2。 今回の事例だけではなく、他分野から見て根拠をよくつけられていない主張を社会学者がすることは多く、社会学と言う学問への疑問が渦巻く自体になっている。しかし、千田有紀氏の議論に関しては、社会学と言うよりはジェンダー論に内在した問題に思える。 1. ネット界隈で露呈するジェンダー論界隈の主張の脆弱さ ネット界隈ではお気持ち表明と揶揄されているが、ジェンダー論者はその程度の論理しか構成できない。 小宮友根氏は相関と因果の見分けがついていなかった*3し、古谷有希子氏のときは彼女がまだ院生であることを加味しても、周囲の社会学者はあれだけ初歩的な間違い*4を指摘することなく、むしろ擁護してい

    ニュースの社会科学的な裏側: ジェンダー論をやっている社会学者は“被害者”
  • 山口二郎の科研費について杉田水脈に踊らされる前に知っておくべきこと

    杉田水脈衆院議員が、政治学者の山口二郎氏が過去に10名を超えるグループの研究代表者として10年で累計6億円の科学研究費を取っていた事を示唆し、ちょっとした騒動になっている。杉田氏はこの金額が妥当ではないと言いたいようだが、その弁に煽られるのは問題だ。金額だけで是非を判断する事はできないし、科研費は研究計画書に基づいて文科省が採択し、その支出は厳しく管理され研究に関係の無いことへの支出は許してくれない。研究に関係ある事にも支出させてくれないと言う愚痴すらある。 1. 科研費の使途は厳しく管理されている 科研費は文科省が出している研究資金で、文科省の規約にしたがって大学事務等の研究者の所属機関が使途を管理している。過去に色々と不正があったために年々と利用ルールが厳しくなっており、今ではもっとも扱いづらい研究資金の一つとさえ言えるであろう。飛行機の半券や物品の領収書を取る事は勿論、出張先での宿泊

    山口二郎の科研費について杉田水脈に踊らされる前に知っておくべきこと
  • 辛淑玉のドイツでの講演はデマ・印象操作によるヘイトスピーチ

    「Fact Check 福島」の『ドイツ二都市で開催された講演会で福島に関するデマを拡散』と言う記事が、辛淑玉氏への差別に加担している、分断を加速する扇情的な記事と批判され、『ドイツ二都市で開催された「反原発とヘイトクライム」講演会』と題名や文からデマ・印象操作と言う表現が削られる騒ぎになっている。中立性を装わないといけないファクト・チェック・サイトで、デマや印象操作と言う結論を自ら出すのは下手だと思うが、辛淑玉氏の言動を正当化しようとする人々もいて頭が痛い。辛淑玉氏の発言を検討してみたのだが、明らかにデマ・印象操作である。 1. 遺伝子異常に関するデタラメ 「○○人は△△の影響で遺伝子レベルで変異が起きて、障害を負っている」なんて無根拠に言ったら間違いなくヘイトスピーチだが、辛淑玉氏のドイツでの講演内容はまさにこれである。細胞個々における遺伝子の異常は様々な原因で起きるわけだが、修復さ

    辛淑玉のドイツでの講演はデマ・印象操作によるヘイトスピーチ
  • 古谷有希子が知るべきデマの拡散と不安の表明の違い

    社会学者の卵の古谷有希子氏がサイト「Fact Check 福島」の記事を、原発事故で不安を感じる人々が主体的にデマを流し、差別を行なっているように思わせる印象操作を行なっており、悪質だと非難している(Twitter)。少しは同サイトの記事を「デマ」や「差別」で検索して中身を読んでみたのであろうか。編集方針なのであろう。記事を読めば分かるが、人々の不安を煽る虚偽と異なる流言をデマとして、それがなぜ事実では無いかを説明しているだけで、原発事故で不安を感じている人々を非難しているわけではない。 1. 不安の表明は、誰もデマの拡散だとは言っていない 原発事故直後、普段、縁の無い放射線の危険性を突然言われて、不安を感じるなと言うのは無理なのは同意しよう。だが、不安の表明は、誰もデマだと言っていない。自分が妊娠ができるのかと質問をした女子生徒は、デマゴーグだと非難はされていない。それどころか、デマを請

    古谷有希子が知るべきデマの拡散と不安の表明の違い
  • 三浦瑠麗「スリーパー・セルはあります!」: ニュースの社会科学的な裏側

    国際政治学者の三浦瑠麗氏が、テレビ番組で日の大都市近郊に北朝鮮の工作員が潜んでいると言ったので盛り上がっている*1。少なくとも昨年の11月24日には同様の主張している*2ので通常運行の三浦氏だと思うのだが、遅れて生じる批判と言うのもあるだろう。それはよいと思うのだが、炎上する方向性がよろしくない。テロリストがいると言う指摘だけでは虐殺は起きない*3し、北朝鮮工作員のテロ活動は危惧されて対策は取られている*4。ただ、スリーパー・セルと言う存在を無理に強調しているのが奇妙だ。 1. スリーパー・セルは潜在テロ実行犯 イスラム教過激派アルカイダの各国の指導部をとりまく集団活動単位をセルと呼び、各セルのサポーター役をスリーパー・セルと言うそうだ*5。一般市民が突然、アクティブなテロの実行犯となる。司法の上位にシャリーアが来ると考えるムスリムは、社会に不満があると確信犯になりやすい。潜在的にイスラ

    三浦瑠麗「スリーパー・セルはあります!」: ニュースの社会科学的な裏側
  • 宗教学たんの罪について

    東京大学先端科学技術研究センター准教授の池内恵氏が、「宗教学たん」なるペンネームで書かれた記事*1に関して、池内氏の著作『イスラーム国の衝撃』に依拠しているのに言及されていないと怒っていた(Facebook)。『「宗教学たん」からのご説明』で宗教学たんが非を認めて話が終わるかと思ったが、「『イスラーム国の衝撃』を剽窃した記事についての対応」で池内氏がさらに宗教学たんを詳細に非難している。言い訳が気に入らなかったらしい。 脚注をつけて参考文献を挙げるべきと言うのは分かるのだが、門外漢には池内氏の記述の新規性が分からないので、宗教学たんが過剰に攻撃されているように思える。池内恵氏は定職を得ている立場の強い人で、(池内氏によると)宗教学たんは求職中のポスドクだ。研究業界の序列を盾に、池内恵氏が一方的に宗教学たんを悪く言っていたりしないであろうか。 1. 素人目には新規性が分からない 宗教学たんが

    宗教学たんの罪について
  • V-22オスプレイの不時着を語りだす前に知っておくべきこと

    空中給油中にローターを破損し、機体不安定な状態で市街地上空の飛行を回避するために、沖縄県名護市沿岸で着水し大破したティルトローター機V-22オスプレイの2016年12月13日の事故*1に関して、その危険性を強調した話をしだしている人をそこそこ見かけるのだが、最低限知っておくべき事が幾つも抜けている気がしてならない。過去の米軍機や自衛隊機の事故について、少しは調べて比較して欲しい。 1. 軍用機は訓練中によく堕ちるので海上で訓練 安全第一の旅客機と異なり、様々な訓練を行なう米軍機や自衛隊機は事故率が高く、その事故はメディアでも度々報じられている。今年、2016年も今回の事故以前に2件の米軍機の着水に至る事故があった。9月22日のAV-8ハリアーの墜落事故は同型機の事故率の高さは広く認識されているのに大した騒ぎにならず、12月7日(先週!)のF/A-18ホーネット墜落事故も強く関心はもたれなか

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  • ヘイトスピーチを辞めた在特会と非民主的なカウンター・デモ

    思想家の東浩紀氏が『在特会デモ&カウンター「観光」記』と言うレポートを公開していた。9月23日の六木周辺の在特会デモを眺めてきたそうだ。素朴に見てきたことが記述されており、文章も軽快で面白い。しかし、肝心なポイントは聞けなかったのか、言及がされていなかった。 デモ隊200名・カウンター側600名と言う人数は一年前と比較するとほぼ同じで、関東一円に住む人数から考えると誤差のような規模でやっている。しかし、在特会の方はメッセージを変えてきており、問題となったハーケンクロイツ旗を掲げる人も消えたようだ*1。カウンター側は逮捕者を出してきているし、今回も警察に拘束された人が出たようだ*2。 今回のデモで、在特会はどんなメッセージを出していたのであろうか。残念ながら喧騒でデモ隊が何を言っているのか分からなかったようだ。在特会のページを久々に見たら、特別永住資格が在日特権だと主張している。また、特別

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  • 政府が働きすぎを心配する必要は無い ─ そう、本当のホワイトカラーならね。

    ホワイトカラーエグゼンプションの話になると思うのだが、濱口氏が産業競争力会議の長谷川ペーパーのAタイプ(労働時間上限要件型)に関して、政府が労働時間の量的上限を決めないことを批判している*1。しかし労働時間の直接規制よりも、労働者の裁量権をどう維持するかの方が重要に思える。濱口氏の議論は、働き過ぎや過労死を直接防止する事に注意が行き過ぎなのでは無いであろうか*2。当のホワイトカラー*3ならば、業務量を減らしてでも、死なない程度に労働時間を定めるはずだからだ。 1. 誰が業務量を決定するかで、妥当な制度は変わる 残業代に関わる議論の核心は、誰が業務量を決定するかであろう。経営者(や作業監督者)が業務量を決定するのであれば、従業員は労働時間の裁量権があったとしても、健康状態などに応じて調整することが出来ない。名ばかり管理職は過労死しうるし、実際にしている。逆に、経営者が業務量を決定できないと

    政府が働きすぎを心配する必要は無い ─ そう、本当のホワイトカラーならね。
  • 米国パトカーの新装備でカー・チェイスはおしまいに

    映画でよく見るカー・チェイスは実際にも行われているのだが、逃走車両が歩行者や他の車両などと衝突する危険性がある*1し、追跡する警察車両も安全とは言えない。そんな追跡劇を減らすための新装備が開発されて紹介されていた(DVICE)。 Tシャツ・ランチャーに似ている"Starchase"と呼ばれるこのシステムは、警察車両に取り付けた空気銃でパトカーから位置が把握できるGPS内蔵の射出物を打ち出し、逃走車両に付着させる。後は高速カー・チェイスを行わずにゆっくり追跡すればいい。射出物を取り外すには車を停止させないといけないが、そこまでの暇は無いはずだ。お値段は発射装置が$5,000(約50万円)、射出物が$500(約5万円)とそこそこする。既に六ヶ月の試行期間に入っている警察署もあるそうだが、まだ不具合で詰まったりするケースもあるようだ。 このStarchaseシステム、テレビで報道されたようで実際

    米国パトカーの新装備でカー・チェイスはおしまいに
  • アフリカのコーヒー農場労働者の生活改善に必要なこと

    小松原織香氏の反論に、やまもといちろう氏が反反論している。 先物相場にも経済的な意味があり、アフリカコーヒー農家の生活が苦しいのは、生産するコーヒー豆の品質が悪く、コモディティ化しているためだそうだ。書いている事は間違ってもいないが、議論が少し噛みあっていない。 「コーヒーと搾取とブロガー」で言及したけれども、この議論を再整理して、サブサハラアフリカコーヒー農場労働者の生活改善に必要なことを考察してみたい。 1. 農園経営者≠農園労働者 まずは混乱の整理から。やまもといちろう氏と小松原織香氏の議論では、コーヒー農園経営者とコーヒー農園労働者の経済状況が同一として扱われているが、コーヒーはプランテーション作物なので、両者は分けて考える方が適切だ。先進国では社長の方が従業員より苦しいケースもあるわけだが、途上国の農園では農園労働者の方が生活が苦しい。以下ではコーヒー農園労働者の生活を考えて

    アフリカのコーヒー農場労働者の生活改善に必要なこと