スイスでいま、国際法より連邦憲法を優先するよう求めるイニシアチブ(国民発議)が話題になっている。発起人の右派国民党は「(憲法を最上位にすえることで)スイス固有の民主主義を取り戻す」と訴えるが、連邦政府などは、国際法を軽んじる姿勢を取れば他国の信頼を失うと反対する。一体どんな内容なのか。
2022年、世界の個人資産が2008年以来15年ぶりに減少するなか、スイスは資産額で首位にたった © Keystone / Christian Beutler
8月31日、ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官が新疆ウイグル自治区における中国の弾圧政策を非難する国連人権報告書を公表すると、英米諸国は矢継ぎ早に「懸念」を表明した。米国はこれ以前にも、イスラム系少数民族ウイグル族に対する中国政府の弾圧を「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定している。 長く待ち望まれていた同報告書が公表されたのは、バチェレ氏任期満了のわずか数分前だった。報告書は、中国政府は中国の西部地域でウイグル族や他のイスラム教徒の身柄を「恣意的かつ差別的に拘束」しており、人道に対する罪に当たる可能性があると指摘する。 先進諸国とは対照的に、アジア・アフリカのイスラム諸国は沈黙を守った。その後、パキスタンを代表とする70カ国が国連人権理事会で共同声明を発表。中国の内政に干渉するのをやめるべきだと米国や欧州を強くけん制した。声明にはアルジェリア、モロッコ、サウジアラビア、エジプト、チュニジ
「ヒトラー式敬礼とハーケンクロイツ(かぎ十字)が600万人のユダヤ人を大量虐殺したナチス・ドイツのシンボルであるのは誰の目にも明らかだ」とフリブール大学で刑法と法哲学の教授を務めるニッグリ氏は言う。 スイスではこうしたシンボルを使うこと自体は罪にならない。同氏は、人種差別撤廃法の適用範囲を拡大すれば、この二つのシンボルを違法にできると語る。だが、法律の適用範囲を広げすぎるのは危険とも指摘する。同法は著しい人種差別が起きた場合にだけ適用されるべきで、日常のささいなことにまで適用していたら法律の「鋭さ」が鈍るという。 swissinfo.ch : 連邦最高裁判所の判決が国内外で物議を醸しています。詳細については後ほど伺いますが、世論が非常に批判的であったことは意外でしたか? マルセル・ニッグリ : 判決が外国で反感を買ったのは、スイスの法律があまり知られていないということで説明がつく。しかし(
連邦経済省経済管轄庁(SECO)が26日、ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)に対し、スイス製弾薬の再輸出要求を拒否したとの報道内容を認めた。ドイツは同日、ゲパルト対空戦車50両など重火器をウクライナに提供すると発表。これに先立ち、ドイツによる再輸出要求をスイスが拒否したと報じられていたが、どの弾薬を指すのかは明らかになっていなかった。 SECOはドイツから2件の弾薬供与の依頼を受けたとされる。その1つにゲパルト戦車向けの35ミリ口径弾と12.7ミリ弾が含まれる。ともにスイスの軍需企業エリコン・ビュールレ社が製造している。同社は現在ドイツのラインメタルグループの傘下にある。 SECOは「ドイツの問い合わせはいずれも、スイスから輸入した弾薬をウクライナに供与することが可能かという内容だった。スイスの中立性とスイス軍需品法の拒否基準に照らして、ともに不可能だと返答した」と説明した。SRFによる
公共メディア: スイス放送協会(SRG SSR)は国内の4つの公用言語地域で17のラジオ局と七つのテレビ局を運営。スイスインフォ(旧スイス国際放送)は同協会の国際部門で、10カ国語に対応。 歴史: SRG SSRは1931年、地域ラジオ局を一つに統括する目的で設立された。スイスのフランス語圏で開始後、すぐにドイツ語圏、イタリア語圏のラジオ局が加わった。ロマンス語のラジオ局は、ロマンス語が四つ目の公用語として公式認定された後、38年に加わった。 財源: 受信料徴収機関にちなんで「ビラグ(Billag)」と呼ばれるラジオおよびテレビの受信料は1世帯につき年間451フラン(約5万円)。2015年の国民投票では、わずかな例外を除き全ての人が受信料を払わなくてはいけないという受信料制度改正法案がかろうじて賛成過半数を上回り、可決された。 連邦議会では最近、スイスにおける公共メディアの役割に関して議論
ルイ・アガシーは主に氷河の研究で知られる19世紀の著名な科学者だが、人種差別的理論を展開していたことでも有名だ。スイス西部の町ヌーシャテルでは最近、アガシーの名前がつけられていた大学の広場が改名され、混血女性の名前になった。一方、ヌーシャテルに近いローザンヌでは、「アガシー通り」という地名を変えず、背景に関する説明板を設置した。 「公共空間は住民の受容に非常に重要な役割を果たす。そして今日のローザンヌの住民は非常に多様だ」と、ローザンヌ市会議員のヴァンサン・ブライエール氏(社会民主党)は話す。ブライエール氏は緑の党のアリス・ジュヌー議員とともに、ローザンヌのアガシー通りの改名を求める質問趣意書を提出した。「自分の住んでいる場所で居心地の悪い思いを誰もしなくて良いようにするための行動だった」 人権・人道を専門とするジャーナリスト・作家で、ヌーシャテル大学の教授でもあるピエール・アザン氏は、「
国をランキングして比較するのは世界中で人気のある「スポーツ」になった。幸福度から健康まで、あらゆるものが指標化され順位づけられる。民主主義もその対象の1つだ。だが果たして、どの国の民主主義が一番優れている、と言い切ることは可能なのだろうか。
スキンへッズなどスイスの極右翼は少数だが増える傾向にあり、またスイス人は3人に1人が外国人嫌い、5人に1人が反ユダヤ主義者であることなどが連邦の調査で分かった。 2月24日、スイスの極右翼について6年間かけて調査した「国家研究プログラム ( PNR 40+ ) 」の結果が発表された。これは極右翼グループをあらゆる角度から掘り下げ分析したもので、結論の1つとして、「彼らは危険な存在ではない」という。 およそ4%が極右翼 30人の研究者たちは、テーマ別に13のプロジェクトを組み、スキンへッズやネオナチだけではなく、こうした極右集団の犠牲になる者や集団からの離脱者、さらに、こうした集団とは一線を画すサッカー場でのフーリガンなどにも幅広く分析の光をあてた。 その結果スイスでは人口のおよそ4%がこうした極右集団に加入しているか、または興味を持っている。これに対し極左翼は人口の2%に減っており、以上の
調査報道プロジェクト「スイス・シークレット」を受けて、スイス金融業界の世界での位置づけを巡り議論が再燃している © Keystone / Ennio Leanza クレディ・スイスの不正預金問題を暴露した調査報道「スイス・シークレット」を受け、スイス金融業界の浄化を求める声が強まっている。マネーロンダリング(資金洗浄)との戦いが徹底されていないとの糾弾が上がる一方、メディアの報じ方に対する疑義も出ている。
スイスは成人男性に兵役義務を課す、欧州では数少ない国の1つだ。フランス、ドイツ、イタリアなどは同制度を廃止している。1996年から、兵役の代わりに社会奉仕ができるようになったが、それより以前は何千人もの男性が兵役拒否を理由に刑務所へ送られた。
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