ここ数年、意識して著作権関係の話題を追うようになってから、「敬意」とか「リスペクト」とかいう言葉が、本当に大嫌いになってしまった。本来ならなかなか嫌いになるのが困難な言葉であるはずなのだが、困ったものである。 嫌いになった理由のひとつは、「敬意を払うべきだ」という言葉を盾にして、精査もせずに都合の良い経済的要求がなされていくのを、嫌というくらい見てきたこと。 もうひとつの理由を、これから述べる。 いや、もちろん敬意は払うべきなのだ。 私個人の話をすれば、例えば昨年「Self-Reference ENGINE」を読んで大変に衝撃を受けた円城塔に。 例えば残業中にアルバム「FAMILY」の曲を聴いて、何度も余力を奮い起こすのを助けてくれたKOHEI JAPANに。 例えば、体の奥に潜んだ凶暴な血を心地よく刺激してくれた映画「300」に。 その他にも多くのクリエイターや生み出された作品に、感謝を