愛に対して誠実すぎる作品。「死にゆく恋人のことを自分はいつか忘れてしまうだろう」なんて可能性すら誤魔化さずに直視する類の、壮絶な誠実さを備えた作品です。 今まで舞城さんが幾度も書いてきたテーマのうち、「選ばれなかったもの/失われてしまったものにどう向き合うか」という問題を愛という形で全面に押し出した作品なのかな、と思います。『みんな元気』は「選ばなかった恋人とその家族/選ばなかった自分の人生」に真っ正面から向き合うお話しでした。「死んでしまった恋人」に姿を変えて、本作でも同じテーマがまた繰り返し描かれているのだと思います。 文章密度の高さは、これまでの舞城さんの作品に通底するひとつの特徴だったと思うので、行間をとても広くとった本書のデザインには意表を突かれました。"!"とか"?"の後に一行アケを省いた、文章密度を強化する方向の文体はそのままだったので、そこだけ浮いてる感じはありましたが、全
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