ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから5カ月が経った。ロシア側は当初、短期決戦を計画していたが、ウクライナは現在も自国の主権を維持し、複数の地域でロシア軍を押し返している。7月初めにロシアがウクライナ東部ルガンスク州を掌握して以降、長距離砲撃や都市部を狙ったミサイル攻撃が戦闘の中心になっている。 この記事では、シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)から得られたデータと現地のロイター記者による取材、そして商業衛星の画像を頼りに、ロシアが始めたこの紛争がどのようにして袋小路に追い込まれたのかをひもといていく。 突然の開戦 2月24日の夜明け前、ウクライナの人々は空襲警報、砲撃とミサイルの音、そしてロシアが全面的な侵攻を始めたとのニュースで目を覚ました。開戦直後の数時間に起きた一連の出来事は、ウクライナが早期に敗北する可能性を思わせた。 装甲車両の車列が抵抗らしい抵抗を受け
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