史上空前のトロッコ問題ブーム(当社比)に便乗しての第三弾いきます。というのはもちろん冗談だけれど、「『消極的義務』の倫理――『トロッコ問題』の哲学者フィリパ・フットとその影響」およびその続編「『トロッコ問題』記事への追記――思考実験の功罪、ダブルエフェクト原理、フィリパ・フットの真意」はシノドスのメルマガおよびブログ(シノドスジャーナル)用の原稿として書いていたので、シノドスの記事でとりあげるまでもないネタというか、本筋からあまりに外れてしまう話は書かないでいたので、それを自分のブログだけで書いてしまおうという話。てか、ほんとに内容は大したことないけど。 今回とりあげるのは、ちょうどシノドスメルマガにわたしの最初の記事が掲載されたのとほぼ同時に、社会学者の宮台真司さんが自身のブログに掲載したエントリ二つにおいて「トロッコ問題」に言及していた件。宮台さんは出版前の原稿や対談の自分の発言部分を
雑感536-2010.10.12「ノーベル賞−二つの話題−」 戦後の技術革新時代の力量 クロスカップリン反応の発明者、活用者3人にノーベル化学賞が授与され、その内2人が日本人だったのでやや興奮。北大名誉教授の鈴木章さんと、米国Purdue大学特別教授の根岸英一さん。根岸さんの経歴を見ると、湘南高校、東大応用化学、帝人、Purdueとなっていて、その当時は最も秀才の人が辿る典型的な経歴である。 当時は、戦後の技術革新の波が押し寄せていた時代で、その内容は石油化学だった。成績の良い学生が応用化学に進み、その中で一番、二番の学生が帝人や東レなどの繊維系の化学会社に引き抜かれた。合成繊維がまさに技術革新の成果だった時代。そういう時代背景を考えると、根岸さんの受賞はよく分かる。1960年代(昭和30年代)の日本の力を反映しているように思う。 受賞の対象となっている反応が広く使われていること、さら
ダイヤモンド社のサイトDIAMOND onlineに「特別レポート」として、「悲惨な“男おひとりさま”と“予備軍”が急増中! 30代からでも早すぎない、『老後の準備』と『覚悟』」というタイトルの上野千鶴子さんへのインタビュー記事が掲載されている。おそらくタイトルは編集部が考えたもので、上野さん自身は関わっていないのだろうけれども、わたしが最初にこのタイトルを見た時に感じたことは、「わたしだって30代だけれど、老後の準備をしたくったってそんな余裕どこにもないよ!」という反発だった。 でもインタビューを読み進んでいくと、どうもわたしが思っていた内容とは違う。その違いがよく分からなくて、つまり上野さんが何を言っているのかよく分からなくて、もう一度最初から読みなおしてみて、ようやく分かった。上野さんがこのインタビューで言っている、「準備と覚悟」が必要な「老後」の「悲惨」というのは、わたしが思ってい
簡易検査はするべきではない? 北秋田市の病院でインフルエンザの集団感染があった。簡易検査では陰性だったが死亡した患者もいたと報道された*1。インフルエンザ迅速診断キットの感度は高くない、つまり、インフルエンザに感染していても検査結果で陰性と出やすいことはよく知られている。あらゆる検査と同様に、インフルエンザの簡易検査は感度・特異度を理解の上に使うべきである*2。当たり前の話。しかし、まれに、インフルエンザの患者に対して、簡易検査をするべきではない、簡易検査をする意味は何もないと誤解している人もいる。 ■Open ブログ: ◆ 簡易検査による死者増加*3 要するに、簡易検査をする意味は、何もない。 ・ 検査で陽性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 ・ 検査で陰性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 (様子見、は間違い。) つまり、どっちみち、「抗インフルエンザ薬の投与」である。投与するか否
※結論から言うと、この日のエントリを書いた後11月15日頃に至って、一切表示されなくなっていたaxcx.comの検索結果表示が、いきなり復活していた。いったい何だったのか。 今回はきわめて極私的な話で、ほとんどの人間にはまったくどうでもよいことだが、一個人的な事実現象の証言として記す。 じつは、1か月ぐらい前から、過去にわたしが何度も何度も何度も何度もしつこく引用したネットワークビジネス団体「リバティコープ」に関する体験記が、検索エンジンGoogleの検索結果に一切表示されなくなった。 べつにサイト自体は健在で、他の検索エンジン、たとえばインフォシークや、ライコスの検索結果には出る。 要するに、現時点では確証はないが、いわゆる「Google八分」(自分に都合悪い情報がGoogle検索結果に表示されないよう圧力をかける行為)としか思えない状態である。 とはいえ、私の体験記というのは1998年
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く