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ブックマーク / ameblo.jp/philosophysells (8)

  • 『【再掲】素人による精神分析読解の問題(『フロイト全集 月報』)』

    最近、精神分析に対する自分の考えを表明してほいた方がいいかなと思うことがありました。 岩波版『フロイト全集』第19巻(2010年6月配)によせた文章をここに再掲します。 少し前の文章ですが、自分の考えは変わっていません。 素人による精神分析読解の問題 國分功一郎 フロイトは医者だった。一八八一年にウィーン大学医学部で学位を取得しており、一八八六年にはウィーンでクリニックを開業している。フロイトの名は精神分析から切り離せないが、これはフロイトが医者として患者に接するなかで自ら創始し、様々な変更を受けいれながら発展させていったものである。つまり、それは、彼がヒステリーや神経症に苦しむ患者を治療するために作り出した理論である。 すると次のような疑問が出てくるのは至極当然のことであるように思われる。たとえば筆者のような、医者でもなく、心の病の治療に携わるわけでもない人間が、フロイトの精神分析につ

    『【再掲】素人による精神分析読解の問題(『フロイト全集 月報』)』
    rodori
    rodori 2015/01/31
    認識論的切断の問題/他ならぬフロイト自身が神経症の治療以外の領域、つまり医学以外の領域に精神分析を用いていたことをどう考えるか。
  • 『真木悠介とドゥルーズ、性と生殖の差異』

    真木悠介とドゥルーズ、性と生殖の差異 | Philosophy Sells...But Who's Buying? 真木悠介の『自我の起源——愛とエゴイズムの動物社会学』を(いまごろになって)読んだ。 いま書いているの文体の参考にと、編集者の方に送っていただいたものだが(すみません、やっといま読んでいます…) 実におもしろかった。 大学生の時に読んでおくべきでしょうが 俺はそんなに読書家じゃないので、おゆるしを。 自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学 (岩波現代文庫)/真木 悠介 ¥1,050 Amazon.co.jp 真木悠介の言っていることを使うと、 ドゥルーズが言っている七面倒くさい議論が、 ものすごく簡単に説明できる気がする。 たとえば個体についての議論。 クローバーというのは、地上には一生えているように見えるけれども 地下茎でつながっていますね。 (因みに、最近趣味

    『真木悠介とドゥルーズ、性と生殖の差異』
  • 『「ヴィジュアル系」論』

    【以前、プラネッツのメルマガに掲載した「ヴィジュアル系」論です。】 稿は私が昨年2012年の秋、世界最大の書籍見市「フランクフルト・ブックフェア」を訪れた後に執筆した報告書である。報告書であるため、公表を目的には書かれていない。そのため、文では昨年同フェアを訪れた大澤真幸さんの報告書を紹介している。それを読んでいないと少しわかりにくいところもあるかもしれないが、全体を通して言いたいことは最後まで読めばお分かりいただけると思う(なお、大澤さんには、今回のこのメルマガでの拙文公表の許可をいただいている)。題材はちょっとおふざけのように思われるかもしれないが、真面目に書いたものである。このたび、プラネッツ・メルマガ編集部のご厚意により、ここに公表する。 國分功一郎 フランクフルト・ブックフェア出張報告書 ──日の人文系研究の「ヴィジュアル系」 國分功一郎 私は2012年10月10日から1

    『「ヴィジュアル系」論』
  • 『『SPA!』(2/11・2/18合併号)での浅田彰さんからの批判について』

    【1】『SPA!』で浅田彰さんが僕に批判的に言及されているというので読んでみました。いくつか説明しておかなければならないことがあると思うので、すこし連投したいと思います。 【2】まずこれです。《京大の人文研にいる〔…〕王寺賢太が、國分を呼んでスピノザ論を聞いたことがあるんです。〔…〕國分は、驚くべきことに、ドゥルーズやネグリのみならず、 古典的なスピノザ研究の蓄積についてもほとんど言及せず、ひたすら「僕のスピノザ」を大声で得々と語るわけ》。 【3】最初にはっきりと述べておくと、僕はいままで一度も、「スピノザ論」を語って欲しいと依頼されて京大の人文研にお伺いしたことはありません。これをまず確認しておきます。 【4】ただ二年ほど前、一度京大にお招きいただいたことがあります。その時の論題は市田良彦さんの『革命論──マルチチュードの政治哲学序説』(平凡社新書)で、合評会をやるからこのを論じて欲し

    『『SPA!』(2/11・2/18合併号)での浅田彰さんからの批判について』
  • Philosophy Sells...But Who's Buying?

    「哲学の映像」と「映像の哲学」を定期配信する新しいプラットフォーム〈國分功一郎の哲学研究室〉がオープンしました。 哲学は映像で何ができるかを実験していくプラットフォームですが、同時に、私がこれまでに書いてきた様々なテキストもアーカイブされており、このブログの記事もそちらにまとめられています。ぜひご覧ください。

    rodori
    rodori 2012/10/19
  • 『マルクスの息子たち、ハーバーマスのサイン、デリダの死』

    俺が最初に出したはデリダの『マルクスと息子たち』というの翻訳でした。 マルクスと息子たち/ジャック・デリダ ¥2,520 Amazon.co.jp もうずいぶん前のことです。 あれは翻訳だけじゃなくて、かなり長い解説文を書いたので、ほんのちょっとですが〝俺の〟という気持ちがあります。 これは当にラッキーなことなのですが、 あのを出したときにはデリダが生きていました。 そしてパリにあるユダヤ博物館というところで、デリダの講演というか対談があったときに、それをもっていって手渡すことができたのでした。 講演の最後に質疑応答があって、その時に俺は果敢にも手を挙げて質問しました。 確か質問は 「あなたの宗教に対する態度は曖昧ではないか」 で始まりました。 ここで会場爆笑。 で、 「信仰foiと宗教religionをあなたは区別しているが、それは当に区別できるのか?」 と確か聞いたように思

    『マルクスの息子たち、ハーバーマスのサイン、デリダの死』
  • 『スピノザに近づいてみる ——「倫理」と「思考」のための60冊+α(再掲)』

    スピノザに近づいてみる ——「倫理」と「思考」のための60冊+α(再掲) | Philosophy Sells...But Who's Buying? 夏休み読書リスト 追加です。 こちらは今年の五月に 紀伊国屋書店新宿店の 「じんぶんや」というコーナーでやらせていただいたフェア。 こちらをご覧ください。 このリストは これまでに上げてきた読書リストの中では 比較的専門性が高いものになっています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ スピノザに近づいてみる ——「倫理」と「思考」のための60冊+α—— 國分功一郎選 スピノザ『エチカ』岩波文庫 言わずと知れたスピノザの主著。はっきり言って、冒頭から読み始めたために脱落するひとが多い! 確かに「自己原因とは、その質が存在を含むもの 云々」なんて始まってたら、なかなか読み進められません。ですので、まずは第四部から、特に

    『スピノザに近づいてみる ——「倫理」と「思考」のための60冊+α(再掲)』
  • 『知性の最高の状態——内田樹『最終講義』(技術評論社)』

    知性の最高の状態——内田樹『最終講義』(技術評論社) | Philosophy Sells...But Who's Buying? 昨日は久しぶりにブログを更新した。 原発に関するもの。 原発についてはもう考えざるを得ないし、 毎日考えているし、いろいろ調べてもいる。 けれど、 それについて意見するのは 当にイヤになる。 なぜかというと、 あらかじめ反論を見込んだ上で 反論に答えられるということを第一に考えて議論を組み立てなければならないからである。 つまり、 何か真理を目指すというよりも、 議論で「勝つ」ことを目指さなければならないからである。 議論で「勝つ」というのはくだらないことである。 そして 「勝つ」ために知識を蓄え、議論を組み立てていくのも くだらないことである。 学問というのは真理の探究であると 俺は堅く信じている。 真理の探究は「勝つ」ためになされるのではない。 「勝つ」

    『知性の最高の状態——内田樹『最終講義』(技術評論社)』
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