ドットコム時代にデータセンターの建築ラッシュが起こってから、すでに10年が経つ。この間、データセンターはITシステムの基盤インフラとして定着したが、その要件も大きく変化してきた。今回はモジュラー型データセンター「SGI ICE Cube」を提供する日本SGIに、データセンターのコスト構造について話を聞いた。 重厚長大なデータセンターからエコ重視へ モジュラー型データセンターとは、可搬性に優れたコンテナユニットなどにラックを設置し、IT機器を集積する新しいタイプのデータセンターを指す。ファシリティの建築コストや電力コストを大幅に下げられるうえ、需要が増した際に逐一増設できるという柔軟性が大きなメリットだ。すでに米国ではモジュラー型データセンターの導入が進んでおり、昨年から外気冷却効果の実証実験を行なっていたIIJ(インターネットイニシアティブ)も5月に建設を正式発表した。 こうしたモジュラー
2009年の米Rackable Systems(以下、Rackable)による米SGI買収を契機に、同年9月より日本SGI株式会社がデータセンター事業へ本格参入。Rackableのデータセンター向け製品の国内展開を開始した。同市場には後発となる日本SGIが、今後、どのような戦略を描くのか。マーケティング本部 データセンタービジネス担当部長の増月孝信氏と、営業統括本部 データセンターソリューション営業本部長の松本豊氏に話を聞いた。 ■データセンター事業に踏み出した日本SGI SGIが米破産法11条(チャプター11)の下での破産保護申請と、Rackableへの資産売却を明らかにしたのは2009年4月のことだ。統合は速やかに進み、同年5月には、買収後もSGIの社名とブランドを存続するとの方針をRackableが発表。中・大規模データセンターやHPC市場に向けて、クラスタコンピューティングやスケー
日本SGI株式会社は5月11日、モジュラー型データセンター「ICE Cube」構築サービスの提供を開始した。国内における本格的な導入を促進する狙い。 ICE Cubeは、2.44×12.20mの標準輸送コンテナにサーバーやストレージを最大1740Uまで収納できるモジュラー型データセンター。構築サービスでは、ICE Cube導入に必要な機器やサービスを総合的に提供する。 具体的には、IT機器・設備の利用状況を調査分析する「アセスメントサービス」、設置現場を事前調査する「設置環境の調査」、設置に適した設備(電気・ネットワーク・冷却水・防災など)を設計・施工する「設備環境の設計・構築支援」、条件に合わせて構成を選べる「システムアーキテクチャ設計支援」、現場まで運搬して迅速に設置する「設置作業支援」、ならびに「運用・保守」までをカバー。 同サービスの利用によって、クラウド普及期にある国内データセン
データセンタービジネスが本格化して10年ほどが過ぎた。この10年でIT業界は大きく変化し、クライアント/サーバ型のシステム、あるいはスケールアップ式のシステムから、スケールアウト型の分散システムを論理的に統合した形でクラウドコンピューティングの基盤プラットフォームとして用いるトレンドが確立された。 コンピューティングモデルあるいは技術が大きく変化していく中で、10年前には想定されていなかったような問題――急増する電力需要、冷却対策の強化、可用性の確保、床設備の改善など――が幾つも浮かび上がってきた。さらに、データセンターそのものが、新しいIT技術、新しい管理体制に対応すべき時代になっていることは、仮想化技術などの台頭をみても明らかである。 しかし、データセンターのあり方そのものは、この10年で大きく変わっていない。データセンターにおける建屋やファシリティの耐用年数は、3年ほどで償却されるサ
日本SGIは2009年9月16日,データセンター向けに消費電力を従来比で最大30%削減したサーバー機の新製品「SGI CloudRackファミリー」を発表した。省電力化により,スペースあたりのサーバー台数を増やせるとともに,冷却にかかる電力を削減できる。同日販売を開始した。BTO形式を採り,受注後最短2週間で出荷する。販売目標は,初年度8億円,今後3年間で40億円。 CloudRackは,専用のラックと専用のサーバー・トレイ(1U)を組み合わせたサーバー製品である。3相電流のバランスを95%以上の精度とすることで,電力の無駄を省くことで電力効率を高めた。冷却効率の面では,ラック側に空調ファンを集約した専用設計などにより,サーバー単位ではなくラック単位で冷却するようにした。これにより,最高室温40度の環境でPUE=1.4を実現できたという。 CloudRackを構成する個々のサーバー・トレイ
日本SGIは、データセンターサーバ事業への進出を発表。Rackableによる買収を経た新生米SGIが生み出したCloudRackなどを携え、新たな勝負を開始する。 「HPC、ビジュアライゼーション、メディア&アーカイブという弊社の主要事業領域に加わる“第4の柱”、それがデータセンターサーバ事業である」――日本SGIの代表取締役社長兼CEOの佐藤年成氏はこう話し、新たな製品ラインアップを紹介した。 旧米SGIが5億2000万ドルを超える負債を抱えて連邦企業再生法第11条(チャプター11)を申請したのが2009年4月のこと。この発表に飛びついたのが、中規模および大規模データセンター向けのサーバとストレージを手掛ける米Rackable Systemsだった。同社は米SGI資産の買収を発表し、わずか1カ月ほどで資産買収を完了した。Rackableは資産買収の完了に合わせて社名を「Silicon G
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