実用段階を迎えたクラウド クラウドは、「インターネット上に集積した膨大な量のコンピューティング・リソースを曖昧模糊とした雲と表し、ユーザーは雲の中について知らなくてもそこから必要なコンピューティング・リソースを自在に引き出して利用できる」といったイメージで語られることが多い。 そのせいなのか、一般に「クラウド」という言葉が使われる際も意味がわかりにくく、それこそ雲をつかむような話になっていることも珍しくない。これは「クラウドとは何か?」という問いに対する明快な定義が存在しないためであり、各人が各様にイメージするクラウドについて語ることから生じる状況だ。 とはいえ、現実にクラウドを冠するサービスやソフトウェアが多数提供され始めるなど、すでに実用段階にあるのも事実で、現在は「クラウド時代」に突入していると言える。 この状況下では、クラウドをどのように「活用し、付き合っていくか」と考えるほうが実