「ねぇ、宇宙ってどれくらい広いの?」――もし子どもにこう聞かれたら、何と答えますか? 「爆発」というユニークな観点から宇宙を見つめ直した新刊『爆発する宇宙』から、「宇宙の拡がり」に関する部分を、一部編集のうえでお届けします。 宇宙はどこまで拡がっているのか? この宇宙の基本的な観測事実として、空のどの方向を見ても、銀河系の外には似たような宇宙が拡がっているというものがある。光速が有限のため、宇宙では遠くを見ることは過去を見ることである。 したがって、遠方の銀河ほど過去の銀河であり、過去にさかのぼるほど、タイムマシンのように銀河の進化を逆にたどることになって、現在の銀河とは性質の異なる銀河が見えてくる。一般的には、形成途上の小さい銀河や、形の不規則な銀河が増える。 また、宇宙の膨張速度も宇宙史の中で一定ではない。そのため、「ほかの銀河が我々の銀河から離れていく速度は、我々からの距離に比例する