世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』著者ブライアン・グリーンによる新作『時間の終わりまで』から本文の一部を紹介するシリーズ第5回。 なぜ物質が生まれ、生命が誕生し、私たちが存在するのか。膨張を続ける「進化する宇宙」は、私たちをどこへ連れてゆくのか。時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりである宇宙の終焉までを壮大なスケールで描き出し、このもっとも根源的な問いに答えていく本書から、今回は、太陽系がどのようにして生まれたのかを解き明かします。 太陽は宇宙創生から数えて三代目の恒星 齢45億を過ぎてなお、太陽は宇宙の新入りだ。太陽は、宇宙の第一世代の恒星のひとつではなかったのだ。恒星の先駆けとなった第一世代の星たちは、インフレーションの膨張で空間全体に引き伸ばされた物質とエネルギーの密度に生じた量子ゆらぎから生じた。その一連のプロセスをコンピュータでシミュレーションをしたところ、第一世代