テニスコートに立ったセリーナ・ウィリアムズは、いつも相手選手より一回り大きく見える。選手は誰でも鍛え抜かれた身体を持つのだが、セリーナはさらに筋肉がぎっしりと詰まった強靭な四肢を備えている。そして、いったんプレーが始まると、その動きのパワフルさは相手だけでなく、そこにいるすべての観客を圧倒するのだ。 去る9月8日、セリーナ・ウィリアムズは全米オープン女子シングルズでまたもや優勝を勝ち取った。この優勝によって、セリーナはグランドスラム(全米オープン、全豪オープン全仏オープン、ウィンブルドン選手権という4大国際大会を制覇すること)のタイトルを17回にわたって獲得したことになる。これまでの最高記録は、クリス・エバートとマルチナ・ナブラチロワによる18回。圧倒的な世界記録は、もう手の届く範囲に迫ったということだ。そのプレーぶりから、すでに史上最強の女性テニス選手とされている。 1981年生まれのセ