痛烈な風刺とユーモアで世界を沸かせた笑撃コメディ。『テルアビブ・オン・ファイア』【今月のプロ押し映画!】 ひょんなことから、中東で人気沸騰のドラマの脚本を手がけることになった青年サラーム。パレスチナとイスラエル双方の言い分を酌みながら描き進めてきたドラマのエンディングで苦悩する彼がひねり出した笑撃の結末とは?
世界三大映画祭の一つ、第69回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月17日(日本時間)開催され、コンペティション部門の最高賞、金熊賞は、イスラエル出身のナダブ・ラピド監督の「シノニムズ」(イスラエル、仏、独合作)に決まった。 「シノニムズ」は、フランスへの帰化を目指し、パリに渡ったイスラエルの若者の日々の奮闘をユーモアを交えて描く物語だ。 次点の審査員大賞(銀熊賞)は、カトリック教会の司祭から性的虐待を受けた少年の苦悩を描く仏のフランソワ・オゾン監督「バイ・ザ・グレース・オブ・ゴッド」が選ばれた。 日本作品では、パノラマ部門で大阪市出身のHIKARI監督の「37 Seconds」が観客賞を受賞。10代向けの「ジェネレーション14プラス」部門では長久允監督の「ウィーアーリトルゾンビーズ」(日本公開は6月)が青少年審査員の特別表彰を受けた。 コンペの他の主な受賞結果は次の通り。 監督賞=アンゲラ・シ
アモス・ギタイ監督[映画.com ニュース]第19回東京フィルメックスで、アモス・ギタイ監督の「エルサレムの路面電車」「ガザの友人への手紙」が11月23日上映され、ギタイ監督がティーチインを行った。 「エルサレムの路面電車」様々な宗教をバックグラウンドに持つ人々がモザイク状に混在して居住するエルサレムを東西に走る路面電車を舞台に、オムニバス風に幾つか乗客ののエピソードをつづる作品。「ガザの友人への手紙」はイスラエルによるガザ封鎖の過激化を受けて発表されたドキュメンタリー。イスラエル、パレスチナの俳優たちとギタイ本人がパレスチナ問題をめぐる様々なテキストを朗読する。 「エルサレムの路面電車」について「皆さんご存知のとおり、現在のイスラエルの状況はかなり緊張しておりますが、それでもこの映画に出てもらいたいと選んだ俳優たち、イスラエル人もパレスチナ人も、そしてマチュー・アマルリックのような海外か
とうとうこの日がやってきました。ベルリン映画祭10日目の16日、中核部門であるコンペティション部門を含め、多くの部門で授賞式や入賞作品の発表が行われました。最高賞の「金熊賞」は、フランス、イスラエル、ドイツ合作の「シノニムズ」に決まりました。当欄の7日目で紹介した作品です。イスラエルの若者がフランスでさまざまな困難に直面する姿を描き、イスラエルとヨーロッパの関係なども考えさせられる社会派の作品ですが、取材していた各国の記者たちの間では「金熊賞とは意外だ」といった反応が見られました。 実は私も、金熊賞は別の作品ではないかと思っていました。それは当欄4日目で紹介した、マケドニアが舞台の「God Exists、Her Name is Petrunya」です。川に投げ込まれた十字架を男たちが奪い合う伝統的宗教行事が題材で、女性の主人公が十字架を手に入れてしまったことがきっかけで大騒動が起きる話でし
金熊賞を受賞したイスラエルの ナダブ・ラピド監督[映画.com ニュース] 第69回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月16日に行われ、金熊賞をイスラエル人監督ナダブ・ラピドの「Synonymes」が受賞した。 本作は、国籍を捨てたいイスラエル出身の青年が、仏パリに渡り同化しようとしながらもさまざまな壁に突き当たる物語。だが粗暴ともいえる主人公のキャラクター設定や説明を省いた描き方、暴力的なまでに荒々しい映像などから、いかようにも解釈できる内容ゆえ、賛否両論に。また物語の性格上、イスラエルやフランスでもすでに議論が持ちあがっている。もっとも、ラピド監督は受賞会見で、「政治的な観点からだけでこの作品を見ないで欲しい。博愛主義や実存主義的な面もあり、祝祭的な部分もある」と語った。 審査員グランプリに輝いたのは、フランソワ・オゾンが実際に起きた神父による性的虐待事件を題材にしたフィクション「By t
金熊賞を受賞した映画『シノニムズ(英題)』 - Courtesy of Berlin International Film Festival 第69回ベルリン国際映画祭授賞式が現地時間16日夜に行われ、コンペティション部門の最高賞にあたる金熊賞にイスラエル人監督ナダヴ・ラピドの映画『シノニムズ(英題) / Synonyms』が輝いた。 『シノニムズ(英題)』は、過去から逃れ、フランス人としてパリで生きようするイスラエル国防軍の元兵士を主人公にした作品。ラピド監督自身の経験を基に、新しい土地で根を下ろすことの難しさを掘り下げた。主演は新鋭トム・メルシエで、The Hollywood Reporter は彼を「若きの日のトム・ハーディを思い起こさせる」と評している。 審査員賞はフランソワ・オゾン監督の『バイ・ザ・グレース・オブ・ゴッド(英題) / By the Grace of God』。聖職
<恋人を不慮の事故で失ったドイツ人のケーキ職人と、夫を亡くしたイスラエル人のカフェ店主。エルサレムを舞台に「同じ男」を愛した二人の男女が運命的に惹かれあっていく...> イスラエル出身のオフィル・ラウル・グレイツァ監督の長編デビュー作『彼が愛したケーキ職人』に描き出されるのは、死者も交えた男女の奇妙な三角関係だ。この監督は、そんな関係に宗教や国籍、セクシュアリティといったテーマを絡ませ、独自の視点と新人離れした表現力で、深みのあるエモーショナルなドラマにまとめ上げている。 映画作家であり料理の達人でもある監督ならではの巧妙な設定 ベルリンでカフェを営むケーキ職人のトーマスは、イスラエルから出張でやって来る常連客のオーレンといつしか恋人関係になっている。ふたりは、妻子持ちのオーレンが、仕事でベルリンに滞在する限られた時間をともに過ごす。だが、ある日を境に、帰国したオーレンとまったく連絡がとれ
映画『彼が愛したケーキ職人』から ©All rights reserved to Laila Films Ltd.2017 映画『彼が愛したケーキ職人』から ©All rights reserved to Laila Films Ltd.2017 Review01 樋口尚文 評価:★★★☆(3.5=満点は★4つ) じわじわ焙煎する職人監督 生きることには不自由がつきものだ。LGBTにまつわる偏見が生むものから、ユダヤの食規定のように宗教の律法が課すものまで、さまざまな場合がある。本作は、人がそういった不自由を克服し、あるいは折り合いをつけながら、いかに本音の幸福をつかみとれるか、という思索の物語だ。そう考えると、真の主役は、物語の軸となるケーキ職人ではなく、未知なる彼を雇い入れるカフェ経営の女性なのかもしれない。 繊細で優しい主人公は、エルサレムからベルリンに出張でやってくる妻子ある男性と
クリス・エヴァンスの新作実話アクション映画、Netflixにて配信へ ─ 『マグニフィセント・セブン』ヘイリー・ベネットら共演 Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14615990538/ 『キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ』シリーズでおなじみクリス・エヴァンス主演の実話アクション映画『The Red Sea Diving Resort(原題)』が、Netflixにて配信されることがわかった。米Deadlineなどが伝えている。 『The Red Sea Diving Resort(原題)』は、1980年代前半、エチオピアでの内戦を背景に、イスラエル諜報特務庁「モサド」が、スーダンの難民キャンプから数千人のエチオピア系ユダヤ人を移送した実際の作戦を描くアクション・スリラー。エヴァンスは作戦
金熊賞を受賞し、金色のトロフィーを手に笑顔を見せる「シノニムズ」のナダブ・ラピド監督=ベルリンで2019年2月16日、小林祥晃撮影 【ベルリン小林祥晃】第69回ベルリン国際映画祭は16日(日本時間17日)、コンペティション部門の授賞式があり、最高賞の金熊賞にナダブ・ラピド監督の「シノニムズ」(仏、イスラエルなど合作)が選ばれた。同作は、フランス人として生きようとパリに渡ったイスラエルの若者が困難に直面する姿を、フランスやイスラエルに対する皮肉を込めて描いた。 次点の審査員グランプリには、幼児期に聖職者から性的虐待を受けた男性たちが、被害者団体を設立して闘う実話を基にした「バイ・ザ・グレース・オブ・ゴッド」(仏、フランソワ・オゾン監督)に決まった。また、中国映画「さらば、息子よ」からはヨン・メイさんが女優賞、ワン・ジンチュンさんが男優賞に選ばれた
イスラエル人監督オフィル・ラウル・グレイツァが手がけた「彼が愛したケーキ職人」が、12月1日より東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開される。 本作は2017年にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞したのち、イスラエルのアカデミー賞にあたる映画賞で作品賞など主要9部門にノミネートされ、70以上の国際映画祭で数々の賞を獲得してきた。 物語の中心となるのは、恋人を不慮の事故で失ったドイツのケーキ職人トーマスと、夫を亡くし女手一つで息子を育てるイスラエル人のアナト。本作では同じ男を愛し、同じ絶望と喪失感を抱える男女が運命的に惹かれ合っていく姿を通して、宗教的慣習の違いをあぶり出し、食べること、生きること、愛することを見つめ直していく。 このたび日本版ポスタービジュアルも解禁に。切ない雰囲気を醸し出すトーマス、アナトが写し出されているほか、「悲しみが
最新映画情報とインタビュー、レポート、試写会などのプレゼントが豊富。映画祭などの公式映画祭Webスタッフが編集制作している ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した『運命は踊る』が、9月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開いたします。 監督は、デビュー作『レバノン』で第66回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた、イスラエルの鬼才サミュエル・マオズ。 長編2本目となる本作で、再びヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞。 デビュー作に続き、2作連続で主要賞を受賞する快挙を成し遂げ、その後も、各国の映画祭で数々の賞を受賞しました。 そんな世界的にも今、最も目が離せない監督のひとりであるサミュエル・マオズ監督が公開に先立ち初来日! 監督の大ファンであるという映画評論家の森直人氏を聞き手にティーチイン付き試写会を行いました。 いちはや
パレスチナを舞台にしたイスラエルのコメディ映画『テルアビブ・オン・ファイア』がとても面白かった。 2018.10.30 石村 研二 石村 研二 トンテンカングリーンズ GREENZ BLOG トンテンカングリーンズ 「トンテンカングリーンズ」は、グリーンズのトンテンカンする日々をそのままお伝えするブログです。記事とは違う温度感をお楽しみください。 パレスチナ問題は長く「問題」であり続けていますが、トランプ大統領がエルサレムにイスラエルのアメリカ大使館を移転したことでまた自体は複雑になってきています。 このパレスチナ問題自体は本当に複雑で、理解するには相当勉強しなければならないのですが、今回は東京国際映画祭でこの複雑で気が重くなるパレスチナ問題を描いた最高なコメディ映画を見たのでここで紹介したいと思います。 その映画は『テルアビブ・オン・ファイア』。イスラエル人のサメフ・ゾアビ監督が、パレス
最新映画情報とインタビュー、レポート、試写会などのプレゼントが豊富。映画祭などの公式映画祭Webスタッフが編集制作している このたび、弊社配給作品『彼が愛したケーキ職人』が、12 月 1 日(土)より YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開致します。 無名の若手イスラエル人監督 オフィル・ラウル・グレイツァが手がけた本作は、低予算映画ながらも 2017 年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でワールドプレミアされるやいなや、観客から総立ちの拍手喝采で絶賛され、エキュメニカル審査員賞を受賞する快挙を成し遂げた。2018 年オフィール賞(イスラエル・アカデミー賞)作品賞ほか主要 9 部門ノミネートするなど、70 以上の国際映画祭で上映され数多くの映画賞を受賞。世界中で広く受け入れられた。主人公は【恋人】を不慮の事故で失ったドイツ人のトーマスと、【夫】を亡くし女手ひとつで息子を育てる
脚本を兼ねたサメフ・ゾアビ監督と 出演のヤニブ・ビトン[映画.com ニュース] イスラエルとパレスチナの緊張関係をコメディタッチで描いた映画「テルアビブ・オン・ファイア」が10月29日、第31回東京国際映画祭のコンペティション部門で公式上映され、監督・脚本のサメフ・ゾアビ、出演のヤニブ・ビトンが記者会見に出席した。 主人公は、エルサレムに暮らしながら人気メロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」のアシスタントとして働く、パレスチナ人の青年サラム。撮影所に行くために毎日通るイスラエル検問所で主任を務めるアッシと知り合う。ドラマの大ファンである妻に自慢するため、アッシは独自の脚本案を持ちかけ、サラムはそれをもとに正脚本家に出世する。第三次中東戦争時を舞台にした同ドラマは大人気となるが、サラムはさまざまな状況に板挟みになり、意外な結末へと突き進んでいく。 サラムの奮闘などをメタファーに、両国のシ
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