ここ数年、ミサイル発射や核実験の報道により、日本でもにわかに「核シェルター」への注目が高まっている。とはいえ、全国民あたりの核シェルター普及率は、スイスやイスラエルが100%、シンガポール54%に対して、日本はわずか0.02%という低さだ(NPO法人日本核シェルター協会調べ/2014年)。 鹿児島市の住宅メーカー・株式会社七呂(しちろ)建設は、2017年11月に九州で初めて家庭用核シェルター「ピースルーム」の販売を始めた。七呂恵介社長は、1993年に多くの被害をもたらした鹿児島水害を経験し、もともと防災分野への関心が高かった。「ミサイルの脅威や原発事故、自然災害など、いつ何が起きるか分からない社会情勢となり、シェルター専門家の話を聞いてみて、自社で取り扱うことを決めました」と導入の背景を語る。また、1960年に創業した同社は型枠工事が強みで、地下室を備えた住宅も手がけており、その技術も生か