高度な専門性を備えているにもかかわらず、1日の大半を「調剤」という単純作業に追われているのが薬剤師の現状です。そんな中、ロボットとICTの融合により「投薬の無人化」に成功した薬局経営者・渡部正之氏は、日本の薬局はただちにICTとロボットを実装し、対物業務から対人業務への移行を進めるべきと語ります。Amazon薬局の脅威が迫る今、薬局が目指すべき方向について見ていきましょう。 日本も「箱出し調剤」へ移行しなければならない■薬を「箱ごと」渡す海外、「箱から必要な錠数を取り出して」渡す日本 私は完全自動調剤技術の開発に挑戦し「自動入庫払出装置」「自動薬剤受取機」「医療情報連携基盤」という3つのアイデアで調剤ワークフローの多くの部分を自動化することに成功しました。しかし、日本で完全自動調剤技術を完成させるためには、錠剤の数を数える行為をどのようにして自動化するかという問題が最後に残されています。