伝統的な大企業にとって、パブリッククラウドの活用は簡単なことではない。新規事業のIT基盤としてパブリッククラウドは大いに役立つ。数多の新興企業が、パブリッククラウドを利用していることからこれは分かる。ただ、伝統的な大企業ではシステム開発も含めて業務の流れが決まっている。安易にパブリッククラウドを採用すると、業務の流れを混乱させてしまう。 かといって、パブリッククラウドに完全に背を向けるわけにもいかない。ITを活用した新しい領域のビジネスでは、伝統的な大企業と新興企業が真っ向からぶつかる。伝統的な大企業同士の競争でも、パブリッククラウドの上手な活用で効率的なITを実現した企業とそうでない企業では差が付いてしまう。 こうした難題に挑んだのが、世界最大手のガラスメーカーである旭硝子だ。2015年8月からパブリッククラウド「Amazon Web Services(AWS)」の全面導入を進めている。