「やっぱり、我が社もボヨヨンですかね?」 エレクトロニクス業界のコンサルタントとして飛び回っていた20代の頃、ある大手素材メーカーの部長が私に尋ねた質問です。私が彼に説明していたのは、エレクトロニクス産業と素材産業の違いについてです。 ソニーや松下電器産業(現パナソニック)といったエレクトロニクス企業を訪問すると、会議室に通されて、課長クラスの担当者がコンサルタントの私に応対してくれます。通常、応対してくれる担当者は1人きりです。 私の訪問の目的は業界動向について情報交換することですが、エレクトロニクス企業の担当者は自分の会社のビジネスについてよく把握しているし、業界全体の動きについてもよく理解しています。小一時間ほどのインタビューは、私は大先生に弟子入りしたような気持ちで、知識を詰め込もうと必死にくらいついたものです。 ソニーや松下電器へ部品を納入している電子部品メーカーへも頻繁に訪問し