2020.02.12 Wed Sponsored by 東京都現代美術館『MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影』 ほとんど無限と言っていいほどにイメージの拡張をもたらす「かく」という行為 文字や絵を「かく」という言葉。その2文字のひらがなにはいくつかの漢字を当てはめることができる。「書く」「描く」はもちろんのこと、「掻く」を使えば爪で背中や黒板をギギギとひっかいたりするイメージを想像できるし、その想像を「こする」に横滑りさせれば、DJのスクラッチもまた「かく」ことの変奏に感じられてくる。 言葉はどんな人にとっても身近であるがゆえに、「かく」という行為はほとんど無限と言っていいほどにイメージの拡張を我々にもたらすだろう。そんなことを考えはじめたくなるイベントが先日開催された。鈴木ヒラクを中心とする8人のアーティストによる『ドローイング・オーケストラ』だ。