物質・材料研究機構(NIMS)は、展示会「nano tech 2015」(2015年1月28~30日、東京ビッグサイト)で、玉虫色に発色するゴムシートを出展した。タマムシの羽根は光の当たり方や見る角度の微妙な変化で色が変わるが、開発したシートは、曲げ伸ばしなどの応力の強さによって、色が敏感に変わることが特徴である。 このゴムシートを開発したのは、NIMS 先端的共通技術部門 先端フォトニクス材料ユニットの澤田勉氏と不動寺浩氏である。澤田氏らは、弾力性のあるゴムシート中に、コロイドと呼ばれる光の波長サイズのナノ粒子を分散させ、あたかも結晶のように粒子を周期的に配列させた。この状態を「コロイド結晶」と呼ぶ。すると、このナノ粒子の配列が特定の波長帯の光だけを反射させるという。こうした要因による色は構造色とも呼ばれる。タマムシや蝶など昆虫の羽根の色も構造色の一種である。 NIMSによれば、この反射