『高次元空間を見る方法』で好評を博した小笠英志さんが上梓した『多様体とは何か』。その執筆の動機は、現代の数学や物理を理解することが、この「多様体」という概念の理解を抜きにしては決して語ることができないことだと言います。 「例えば超弦理論、三体問題、トポロジカル物質、ポアンカレ予想、フェルマー予想、リーマン予想など、何を学ぶにしても必要となる最重要の基本概念のひとつが多様体なのです。皆さまぜひ、本記事で多様体とは何か、その雰囲気を味わって下さい」 本記事では前回の記事「宇宙はどんな形をしているのか」に続き、『多様体とは何か』の一節を紹介することで、多様体の概念を簡単につかみながら、"実は多様体の理解こそ前作の『高次元空間を見る方法』と同様、「高次元空間」という人々を惹き付けてやまない概念を想像する良いアプローチにもなる"ということを見ていきます。 さて、前記事では宇宙の形を想像するための一例