政権の暴走は危険水域に入った−。自民党の安倍晋三元首相は12日付のメールマガジンで、鳩山由紀夫首相が14日に来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見について、通常の手続きを踏んでいないにもかかわらず実現を指示したことを強く批判した。 安倍氏は、陛下が前立腺がん手術以降、期限1カ月を切った会見要請は受けないとのルールを小泉、安倍、福田、麻生の歴代自民党政権は厳守してきたと主張。「(会見を要請してきた中には)日本にとって重要な要人もいたが、例外なく断ってきた。陛下のご日程に政治的、外向的思惑を入れてはいけないと自制してきた」と記した。 その上で、鳩山首相が会見を無理強いした理由について「胡錦濤国家主席の小沢一郎幹事長訪中団に対する異例の大歓待を引き出すための約束だったからではないか」と指摘。「陛下を自分たちのために政治利用した」と批判した。