安倍晋三首相は平昌五輪の開会式に出席し、韓国の文在寅大統領と会談した。慰安婦問題で揺れる日韓関係。筆者は、安全保障分野など具体的な目標を絞って両国のリーダーがうまく関係を築く意思があれば、未来志向に「動かす」ことは可能だと指摘する。 歴史問題に圧倒されてきた日韓関係慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」した日韓合意について、文在寅政権が「誠実に履行」する姿勢を示さない中、平昌五輪の開会式に安倍晋三首相が出席したのは、依然として「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」(外務省『外交青書』2017年度版)として韓国を位置づけているからである。開会式当日のレセプションの際に、米国のペンス副大統領とともに3人だけで立ち並ぶ「絵」を別途示す必要があった。 韓国の文在寅大統領主催レセプションに出席し、撮影に応じる(左から)安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領、米国のマイク・ペンス副大統領=2018年2月9