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ブックマーク / honz.jp (7)

  • 『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ

    書は62歳で「住所不定無職」の新人作家として鮮烈なデビューを果たした作家、赤松利市が経験した、東日大震災の復興事業に関するルポルタージュだ。 著者、赤松は35歳で起業し、一時は年収2000万円を超えていた。しかし、ある事情により会社は倒産。以後、厳しい生活を強いられる。 そんな折、東日大震災が発生。土建業を営む知人の社長から相談を受ける。震災後の復興バブルに乗るべく専務である息子を東北に派遣するので、「営業部長」となって同行してほしい、儲けが出れば半分は赤松の取り分にするという内容だ。土木業は未経験だが、儲けを出せば利益の半分を手にできる。人生逆転のチャンスだ。そう思い仕事を引き受ける。 だが、そのもくろみはすぐに崩れさる。復興バブルに便乗するべく東北に集った零細企業たちが、大手ゼネコンのように現場全体を請け負うことは不可能だ。零細企業は、大手が請け負った現場に作業員を派遣する、人工

    『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2020/04/04
    「後に赤松も参加する原発事故の除染作業員は人間以下の扱いを受けていた。スーパーで商品に触っただけで地元住民から罵倒され、ゼネコン社員が行う説明会は脅迫まがいの内容だ。」
  • 『移民の政治経済学』 移民にまつわる不都合な真実 - HONZ

    国境のない世界を想像してごらん。 ジョン・レノンはこう問いかけることで、多くの人々の気持ちを動かした。ジョンはそのように想像することは難しくないと言ったけれど、生まれたときから当たり前にある国境が無くなってしまった世界を、具体的に思い描くことは容易ではない。その世界では、人々は当に自由に世界中を行き来するのだろうか、企業はより安い労働力を求めて移転するのだろうか、いがみ合っていた国と国と争いが瞬時に消えてなくなるのだろうか、オリンピックはこれほど盛り上がるだろうか。 経済学者はこの問いかけに、先ずは貿易を制限する障壁がなくなった世界をシミュレートすることで応えようとしてきた。そして、自由貿易は各国を豊かにすると同時に世界の格差を減少すると信じられてきた。ところが、この数十年の間に貿易の自由化は大きな前進を見せたにも関わらず、経済学者が予期していたような賃金の増大・平準化は実現されていない

    『移民の政治経済学』 移民にまつわる不都合な真実 - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2018/02/23
    「移民が全員にとって良いものだという通説を論文で確実に裏付けることが、社会科学者の目的だと宣言する者もいるそうだ。これは果たして科学的な態度といえるのだろうか。」科学を僭称する社会学を放置した結果。
  • 賢人か俗物か『セネカ 哲学する政治家 ネロ帝宮廷の日々』二つの顔を持つ男 - HONZ

    『怒りについて』や『生の短さについて』などを著した古代ローマの哲学者セネカは二つの顔を持っていたという。ストア派に属し簡素な生き方と節度、理性を求める哲学者の顔。もうひとつは皇帝ネロに仕えた政治家としての顔。著作の中で簡素な生き方を推奨しながら、一方で現実のセネカはローマでも一、二を争う資産家であり、植民地に高利で金を貸し、暴利を貪る金貸しでもあったという。 ネロ治世下のブリテン島で起きたボウディッカの反乱の間接的な原因は、セネカだという人々もいる。反乱が起きる前にセネカが突然厳しい条件でブリテン島の債務者からの取り立てを行ったとカッシウス・ディオが伝えている。また彼の資産の一部はネロがセネカの承認を得て殺した政敵の資産で築かれていた。暗殺者が犠牲者の資産を懐に収めていたのだ。彼の言葉と行動は信じられないほど矛盾に満ちている。いったいセネカとは何者なのだろうか。 セネカの評判は当時から両極

    賢人か俗物か『セネカ 哲学する政治家 ネロ帝宮廷の日々』二つの顔を持つ男 - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2016/06/28
    キケロと並び嫌ひな人物。ええ、塩野七生の『ローマ人の物語』の影響ですとも。
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    いの快感が忘れられない『人魚姫のごめんねごはん』 2018年11月19日 僕はありがたいことにべ物の好き嫌いがないので、お肉も野菜も大好物ですが、魚や貝といった海鮮も大好きです。 なにせ魚介類は種類も豊富だし、調理方法で味も千変万化。それこそ毎日べたって飽きません。...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
    ryokusai
    ryokusai 2016/06/15
    「医学的に否定されていても、当事者からというネットの書き込みにあった「発達障害は遺伝する」という間違った情報」さらりと何いつてんのこのひと(困惑
  • 【映画】『ヤクザと憲法』極道たりとも、法の下に平等なのか? - HONZ

    昨年の山口組分裂騒動を受け、多くのメディアを賑わせた極道の世界。その一方で、ヤクザの総数は今や全国で6万人を切ったとも言われる。もはや絶滅危惧種とも言われ、岐路に立たされるヤクザ達だが、その実態はどのようになっているのだろうか? 報道やフィクションでは目にすることの多いヤクザの世界を、地上波のドキュメンタリーという形で映し出したのが、作『ヤクザと憲法』である。昨年3月に東海テレビで放送されたこの番組は、取材クルーが100日近く密着することでヤクザの日常を描き出した。現在、テレビでは未公開となったカットも追加したものが映画版として再編集されており、いくつかの劇場で見ることができる。 取材を受けたのは、大阪にある指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」である。27人の組員を束ねる親分は川口 和秀・会長。「暴力団対策法」制定のきっかけとなった「キャッツアイ事件」の際に殺人容疑などで逮捕されており、

    【映画】『ヤクザと憲法』極道たりとも、法の下に平等なのか? - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2016/01/05
    かつての我が国の集団的自衛権みたいに「保有するが行使できない」類のものなのだらう。そんなものに何の意味があるか私は知らんが憲法学者あたりなら知つてゐるかも。
  • 『サボタージュ・マニュアル』あなたの会社はなぜ非効率? - HONZ

    第二次世界大戦中に米国戦略諜報局(OSS)が作成したサボタージュマニュアルの翻訳である。このマニュアルは枢軸国の占領下にある市民にできるかぎり仕事を怠けさせ組織の非効率化を図ることにより、枢軸国側の占領政策を混乱に陥れ、士気の低下や軍需物資の生産力を滞らせることを目的としている。 内容としては産業機械をそれとなく故障させるという技術的面が強いものから、「常に決められた手順を守れ」「文章による指示を要求し、誤った解釈をせよ」といったマネージメントに関係する物や「トイレを詰まらせる」「鍵穴に木片を詰め込め」といった悪戯レベルのもの、さらに遅滞性の発火装置を使って火災を誘発する方法と多岐にわたる。このような行為をひとつひとつを眺める事により、組織がなぜうまく回らなくなるかを逆照射しようというのが、書の狙いであるようだ。 書の「解説」では、第五章の11「組織や生産に対する一般的な妨害」という

    『サボタージュ・マニュアル』あなたの会社はなぜ非効率? - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2015/08/30
    民間企業に比べ格段にヌルいに違ひない「我が社」や御同業とかでメンタルやられる人が少なくないのはこの辺に理由があると思ふ。
  • 『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ

    65歳以上の高齢者の万引きの増加が話題になったのは20年ほど前だったか。当時は全体に占める割合が1割に達したことで注目を集めていた。 書によると警察庁発表の犯罪統計では高齢者による万引きは2011年には未成年者の検挙数を追い抜き、直近の公表値である13年は32.7%を占め過去最高を記録したという。万引き犯の3人にひとりが65歳以上という状況だ。人口全体が高齢化していることを踏まえても異常な増え方だ 万引きだけではない。ストーカーも60代以上の13年度の認知件数が10年前の約4倍に増え、他の世代の1.7-2.6倍に比べて高い増加率を示す。驚くべきなのは暴行の検挙数。2013年には94年比45倍超の3048人に急増している。原因も「激情・憤怒」が60%以上を占め、次点の「飲酒による酩酊」の14%を大きく引き離す。酔っぱらって、「何だ、この野郎!」と酒場で暴れる老人を想像しがちだが、当に凶暴

    『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ
    ryokusai
    ryokusai 2015/03/20
    命長ければ辱多し。「留保のない生の肯定」とやらの自然な帰結。
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