ロコ・ソラーレのサード、吉田知那美は2大会連続のメダルを目指し熱戦を繰り広げている。平昌五輪では日本カーリング史上初めての銅メダルを獲得し、苦しみながらも北京への切符をつかんだ。順風満帆にもみえるカーリング人生を切り開いてきたのは、彼女の「名言」の数々だったのかもしれない。勝敗、人生、運命をも変える言葉力の源泉を探る――。 (文=竹田聡一郎、写真=Getty Images) 「運命を変えよう」。北京五輪出場へ絶体絶命の状況で口にした言葉 吉田知那美は雄弁だ。 「あいつのコメント力というか、言語化能力はすごいよ」と小野寺亮二コーチが称賛していたことがある。 「(取材の文字を)起こしてまんま記事に使えることが多い」と複数のカーリング記者が異口同音に言っていた。 寡黙であったり、口下手であったり、多弁でも本心を言わなかったりするケースもあるが、総じて記者にとって難しい取材対象者を「記者泣かせ」と