我が家は毎年5月になると放牧を開始します。 放牧場から牛舎までの距離は約6キロ。 この長い道のりを牛たちは迷わず自分たちだけで歩き、秋には自ら帰ってきます。 なぜ迷わないのかというと 放牧場までの道を覚えているリーダー牛が先頭を走り、それに若い牛がついて行き、道を教わる。 そしてその若い牛たちまた次の世代に伝えられていく。 この流れが30年以上続いているのです。 牛は放牧地も牛舎も自分たちの居場所だと認識しています。 牛と人が作り上げた伝統。 放牧経産牛が暮らす「上の山放牧場」 秋田県にかほ市の最南端に位置する鳥海山。 日本百名山、日本百景のひとつに選ばれており、山頂から海まで16キロという日本でも数少ない地形の特徴から、山全体が国定公園にも選ばれています。 また日本の地質百選にも選ばれていることから多種多様な植物、動物が生息する自然豊かな土地です。 この鳥海山の麓、標高5