NHKの一部職員が引き起こした不祥事の結果、受信料の不払い者が急増した。筆者は一度払わなくなってしまった人が、再び支払うようになることはあまり期待できないと考えている。となると、NHKの受信料制度のあり方そのものを改めて検討してみるべき時に来ているのではないだろうか。 受信料制度の難しさ NHKの受信料は、テレビ受像機を保有している世帯に対して支払いが課せられる形になっている(放送法32条1項)。対象になるのは1台目のテレビだけで、2台目、3台目のテレビについては支払う必要はない。今後の受信料制度のあり方を考える上では、この基本的な部分について確認しておくことが不可欠になる。 「わが家ではNHKは見ていません」という理由で支払いを拒む人が多いと聞くが、放送法32条1項には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」とある